核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明

7月 8th, 2017

核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明

   核兵器禁止条約の採択をヒロシマは心から歓迎する

2017年7月7日、ヒロシマ・ナガサキ原爆被爆の未曾有の非人間的惨禍から72年目の今日、世界の生きんとする人々の悲願である核兵器禁止条約が国連で122カ国の賛成と反対1、棄権1と圧倒的多数で採択されました。

まさに世界に人類生存への希望をもたらした歴史的な日を迎えたのです。

ここヒロシマで、アメリカによる原爆投下によって無残に命を奪われた十数万の人々、被爆後72年の間、家族関係を原爆により破壊され辛酸をなめながら、放射能の後遺症に苦しめられ「遅れた死」をもたらされた二十数万人の人々、そして今なお、病魔や生活苦を背負わされている多くの人々と共に私たちは核廃絶を求めてきました。

そのことについては、核兵器禁止条約前文において、ヒバクシャの受け入れがたい苦難と被害、核廃絶への貢献を特記して表しています。

その実現のための最も現実的な法的規範である「核兵器禁止条約」は、「核と人類は共存できない」という理念を掲げた私たち世界民衆とその代表者である志を持つ国々の連帯の力で勝ち取ることができました。市民社会に解放された禁止条約国連交渉会議のあり方が、人類英知の結晶を生み出したのです。

採択された「核兵器禁止条約」は、核の非人道性を問い糺し、核が人類生存の道を阻む「悪」であるという烙印を押した国際規範です。核兵器の開発、実験、保有、移譲、使用及び使用の威嚇が禁止されました。特に、爆発を伴わない核実験も禁止したことは新たな核開発の防止の実効性を高めるものです。さらにこれらの行為をいかなる形でも援助、奨励、勧誘することも禁止されました。核兵器使用の威嚇が禁止されたということは、核抑止力依存を国策とする国家にとっては深刻な打撃を与え、国際法で禁じられる故に安全保障策の根底的な転換を迫るものになります。

また、核廃絶の原点である世界の核被害者に目を向け、その国家と被害をもたらした加害国の被害者への支援及び核汚染地の環境回復という責任と義務を明記したこと、核被害が特に弱き側の先住民の上に押し付けられていること、放射能の影響が母体である女性や将来の世代に及ぶことを明示し、核被害の及ぼす放射能の脅威を強調したことは、私たちが長年、核被害実態の解明と被害の救援に取り組んできたことの反映です。

一方、原子力利用による核被害の実態に踏まえ、「核と人類は共存できない」という理念を掲げてきたわたしたちにとって、NPT(核不拡散条約)にもとずく「核の平和利用の権利」の保障に言及した点は今後の大きな課題と言えます。

この条約はさらに、核保有国が条約に加入したうえで保有核兵器を時間枠の伴う検証可能かつ不可逆的な方法で解体していく道筋も定めています。  アメリカ等が関係諸国に不参加や反対投票をするよう圧力をかけている中で、また核の傘に依存する被爆国日本が反対表明や不参加の態度をとるなど妨害が続く中、確固とした信念に基づき採択を実現させたホワイト議長をはじめとする人々、国々に深い敬意を表します。

私たちは日本政府に要求します。直ちに被爆国としての責任ある態度を持って締約国となるよう署名、批准を果して、国際社会の信頼を取り戻すべきです。日本政府がアメリカの核の傘に依存する政策は、すでに国際法によって違法となったことを肝に銘じなければなりません。

9月20日の署名開始から50カ国の批准が行われて90日経つと核兵器禁止条約はいよいよ発効します。日米両政府などの抵抗妨害を市民の力で無力にして自国の署名批准を推し進めましょう。禁止条約を実現した大きな力を私たちは持っています。

核兵器の最後の一つをこの世界から無くするまで、ヒロシマも世界の市民も声を一つに頑張りぬくことを誓います。

 

2017年7月8日

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

核兵器禁止条約採択を歓迎するヒロシマ集会参加者一同


核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明(参加団体付き)採択 17.7.8(PDF)

本日の声明文を次の方々に送りました。

首相官邸 安倍晋三総理大臣

外務省軍縮課 岸田文雄外務大臣

岸田文雄後援会事務所(広島市中区)

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日本政府内閣府

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 

国連の核兵器禁止条約交渉会議で禁止条約が採択された直後の8日午後、私たち広島市民は「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動その3」として、原爆ドーム前で「核兵器禁止条約案採択をヒロシマは心から歓迎する!」集会を開き、約100人の参加者一同による「核兵器禁止条約採択に際してヒロシマ共同声明」を発しました。集会案内と声明文を安倍晋三総理大臣あてにお送りします。

声明では、「世界に人類生存への希望をもたらした歴史的な日を迎えた」と条約採択を歓迎する一方で日本政府に対し、直ちに被爆国としての責任ある態度を持って締約国となるよう署名、批准を果して、国際社会の信頼を取り戻すよう求めています。。

お手数をおかけしますがご伝達のほどよろしくお願い申し上げます。

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

〒730-0013広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室

足立・西法律事務所

(TEL)082-211-3342

(Eメール) hanwa@e-hanwa.org

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核兵器禁止条約案採択を歓迎する原爆ドーム前集会

7月 3rd, 2017

↑リンク:世界核被害者フォーラム(FB)に写真が掲載されています。

 

核兵器禁止条約案採択を歓迎する原爆ドーム前集会フライヤー

 

禁止条約交渉会議で現地時間の7日(日本時間では8日)、禁止条約案が採択され、世界は核兵器廃絶へ向け
て歴史的な一歩を踏み出します。核被害の原点であるヒロシマから条約案の成立を熱烈に歓迎するメッセージ
を世界に先駆けて発し、秋の国連総会での条約採択に向けてヒロシマが一つになって全力で取り組む決意を表
すとともに、条約制定に反対する日本政府に対し、賛成するよう迫りましょう。

 

<共同行動そのⅢ>
核兵器禁止条約案採択を歓迎する原爆ドーム前集会

 

日 時:7月8日(土)15:00 ~ 15:30  (午後3時~3時半)

雨天決行(大雨注意報・警報が出ている場合は中止)

場 所:原爆ドーム東側

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内 容:

●国連交渉会議支持現地行動参加報告

●共同宣言(日本語・英語)

国連・核兵器禁止条約交渉会議のホワイト議長や国際NGOなど国際機関、 日本政府・外務省に送付

●写真撮影

原爆ドームをバックに禁止条約案歓迎の横断幕(日本語・英語)を前にした参加者が白い折り鶴を持った写真を国連や国際NGOなどにネットで送り、世界に発信


ヒロシマ緊急共同行動への参加団体・グループを募っています。事務局へご連絡ください。

◆実行委員会参加団体 (7 月8 日現在 23 団体)

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

NO DUヒロシマ・プロジェクト

広島県被団協(坪井理事長)

広島県原水禁 広島

県保険医協会

広島県原水協

広島県被団協(佐久間理事長)

第九条の会ヒロシマ

広島YMCA国際コミュニティーセンター

ANT -Hiroshima

さよなら原発ヒロシマの会

上関原発止めよう!広島ネットワーク

広島医療生協

広島県民主医療機関連合会

ピースリンク広島 呉 岩国

韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部

カトリック正義と平和広島協議会

新日本の婦人の会広島県本部

広島宗教者平和協議会

被爆者支援広島ネットワーク

ヒロシマ革新懇

広島県AALA連帯委員会

被ばくの歴史・平和学市民コンソーシアム


核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会実行委員会
事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
E-mail: hanwa@e-hanwa.org / haruko-m@f3.dion.ne.jp
Tel: 090-9064-4705 ( 事務局長・森瀧)

原爆ドーム・キャンドル・メッセージの集い

6月 12th, 2017

核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動・そのⅡ

国連に、世界に届けようヒロシマの声 

原爆ドーム・キャンドル・メッセージの集い

<今こそ核兵器禁止条約を!>

1000本のキャンドルで描き世界に発信!

BAN NUKES NOW!

2017

 

時:6月15日(木)19:30-20:30

 場所:広島平和記念公園  原爆ドーム横 

 

プログラム

19:30: 開会 司会 ANT‐Hiroshima・渡部朋子

19:35: メッセージづくりについて説明 雨宮功・NO DUヒロシマ

19:40: 核兵器禁止条約交渉会議に向けて 趣旨 森瀧春子・実行委員会事務局長

19:45~ キャンドルメッセージづくり

キャンドルに点火して参加者がメッセージ文字づくり

19:50: リレーメッセージ

被爆者   田中聰司・広島県被団協

被爆者   佐久間邦彦・広島県被団協

若者 村上正晃・平和公園ボランティアガイド

楠本涼華

原爆小頭症患者と家族の会きのこ会 長岡義夫会長

20:00: メッセージ完成

キャンドルのドーム側に参加者集合 撮影体制づくり

音楽演奏 ギターと歌 シスター山本  20:30まで

20:15: 写真撮影(メッセージ、参加者、原爆ドームの一体となった場面)

20:30: キャンドルメッセージ終了 閉会

※写真は、当夜のうちに国連、ICANなどの国際機関などへ送る予定です。

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

連絡先 Tel: 090-9064-4705(森瀧)

 


 

実行委員会参加団体 (6月8日現在 22団体)

  • 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
  • NO DUヒロシマ・プロジェクト
  • 広島県被団協(坪井理事長)
  • 広島県原水禁
  • 広島県保険医協会
  • 広島県原水協
  • 広島県被団協(佐久間理事長)
  • 第九条の会ヒロシマ
  • 広島YMCA国際コミュニティーセンター
  • ANT-Hiroshima
  • さよなら原発ヒロシマの会
  • 上関原発止めよう!広島ネットワーク
  • 広島医療生協
  • 広島県民主医療機関連合会
  • ピースリンク広島 呉 岩国
  • 韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部
  • カトリック正義と平和広島協議会
  • 新日本の婦人の会広島県本部
  • 広島県宗教者平和協議会
  • 被爆者支援ネットワーク
  • ヒロシマ革新懇
  • 広島県AALA連帯委員会

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動宣言

6月 12th, 2017

  2017年5月27日

日本政府内閣府

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 

私たち広島市民は27日広島市で、「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動その1」として「核兵器廃絶!ヒロシマ市民集会」を開き、参加者一同による「核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動宣言」を発しました。集会プログラムと宣言文を安倍晋三総理大臣あてにお送りします。

宣言では、国連・核兵器禁止条約交渉会議の第2回会合が進展し、核兵器禁止条約が策定されて、秋の国連総会で採択されることを強く求めています。そのためにも、日本政府が、これまでの態度を改め、交渉会議に出席し、非人道的核兵器の非合法化に向けて被爆国として積極的な役割を果たすことを求めています。

お手数をおかけしますがご伝達のほどよろしくお願い申し上げます。

 

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

〒730-0013広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室 足立・西法律事務所

(TEL)082-211-3342

(Eメール) hanwa@e-hanwa.org


*5月28日、同文を首相、外相、岸田文雄事務所(広島)あてに郵送しました。

 

2017年度核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)総会のご案内

5月 2nd, 2017

会員の皆様

 2017年HANWA総会開催のご案内

次のとおり、2017年度核兵器廃絶をめざすヒロシマの会総会を行います。

会員の皆様はよろしくご参集頂きますようお願い致します。

日時:5月27日(土)13:30~14:30 

場所:広島市中区地域福祉センター(平和ビル)5F大会議室

 

※なお、引き続き、15:00より、同じ会場で、核兵器禁止条約制定のための広島緊急行動の集会が行われますので、ご参加頂きますようお願い致します。

詳細はこちらをご覧ください。

核兵器禁止条約のための広島緊急行動

5月 2nd, 2017

広島緊急行動ダウンロード用PDF(カラー)(5月2日現在)

 

モノクロ印刷用PDFはこちらをお使いください。(5月2日現在)

 

<核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動>

核兵器廃絶!ヒロシマ市民集会

核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会

 

今、私たちは核兵器禁止条約による核兵器廃絶への画期的な現実を迎えようとしている。これを歴史的事実となすべく市民一体となって行動するよう呼びかける。

核をめぐる状況は、核大国米ロの核増強政策、北朝鮮の核実験などで緊張が高まっている。核保有国や日本など核抑止力に安全保障を依存する国々は、禁止条約の成立を妨害しようと躍起になっている。

被爆後これまでの72年間にわたるヒバクシャを先頭とする先人たちの「核と人類は共存できない」という血のにじむような闘いを引き継ぎ、核兵器の非人道性を最もよく知る広島から、核兵器禁止条約実現のため、ヒロシマの声を一つにして世界に力強く訴える。

そのため、広島の被爆者団体をはじめ反核平和運動にかかわる団体・グループが幅広く実行委員会に結集し、核兵器禁止条約キャンペーン・ヒロシマ緊急共同行動を展開する。

 

<第1回核兵器禁止条約交渉会合報告と広島の課題>

  日時:527日(土)15時~1710

場所:広島市中区地域福祉センター(平和ビル)5F大会議室 

 

<プログラム>(5月27日更新)

 15:00  開会挨拶・・・青木克明HANWA共同代表

15:03  広島市長からのメッセージ・・・代読

15:06  広島県知事からのメッセージ・・・代読

15:06  基調報告 「核兵器禁止条約交渉の現状と展望」

川崎 哲さん ICAN国際運営委員、ピースボート共同代表  核兵器廃絶日本NGO連絡会共同世話人

16:25 ヒロシマ共同行動実行委員会より行動提起・・・森瀧春子共同行動事務局長

16:40 被爆者よりアピール・・・

佐久間邦彦広島県被団協理事長/箕牧智之広島県被団協副理事長

参加者紹介 きのこ会(原爆小頭症患者と家族の会)長岡義夫会長

16:50 反核団体より決意表明・・・

金子哲夫広島県原水禁代表委員/弘中孝江県広島県原水協事務局次長

17:00 共同宣言発表・・・渡部朋子ANT-Hiroshima理事長

*   (日本語・英語)で発し日本政府・外務省や国連、国際NGO など」国際機関に送る

17:05   閉会挨拶・・・秋葉忠利前市長

 

 

 

B.原爆ドーム・キャンドルメッセージの集い

国連に、世界に届けようヒロシマの声 「今こそ核兵器禁止条約を!」

日時:6月15日(木)19:30-20:30

場所:広島平和記念公園  原爆ドーム横

写真を撮影し、第2回核兵器禁止条約交渉会合(6/15—7/7)開会直前に、国連、世界へのメッセージをヒロシマ原爆ドームからネットで発信する。

  •  キャンドル・メッセージ  (今こそ核兵器禁止条約を!)

BAN NUKES NOW! 

2017

・1000本のキャンドルで上記のメッセージを描く

 

(3)核兵器禁止条約のためのヒロシマ緊急共同行動実行委員会参加団体 (5月22日現在)

  • 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
  • NO DUヒロシマ・プロジェクト
  • 広島県被団協(坪井理事長)
  • 広島県原水禁
  • 広島県保険医協会
  • 広島県原水協
  • 広島県被団協(佐久間理事長)
  • 第九条の会ヒロシマ
  • ANT-Hiroshima
  • 広島YMCA国際コミュニティーセンター
  • さよなら原発ヒロシマの会
  • 上関原発止めよう!広島ネットワーク
  • 広島医療生協
  • 広島県民主医療機関連合会
  • 被爆者支援広島ネットワーク
  • 新日本婦人の会広島
  • カトリック正義と平和広島協議会
  • 韓国の原爆被害者を救援する市民の会・広島支部

 

 

*上記を通して、[ヒバクシャ国際署名キャンペーン]を展開する。

6月1日の被爆者団体による街頭署名活動に参加支援する。

*広島の被爆者団体をはじめ反核平和活動にかかわる諸団体・グループに実行委員会への参加を引き続き呼びかけ広島一体となった取り組みとして進める。

*広島市、広島県には当日メッセージ文を要請する。

 

(4)核兵器禁止条約のためのヒロシマ共同行動実行委員会事務局

事務局長:森瀧春子

事務局:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

E-mail: hanwa@e-hanwa.orgharuko-m@f3.dion.ne.jp

Tel: 090-9064-4705 (森瀧)

 

日本政府が核兵器禁止条約交渉会議に参加しない表明をしたことに抗議する

3月 30th, 2017

 日本政府が核兵器禁止条約交渉会議に参加しない表明をしたことに抗議する

 

3月27日、国連で核兵器を法的に禁止する国連の「核兵器禁止条約」交渉会議が始まった。この新条約の交渉では、120カ国以上が、法的拘束力のある核兵器禁止条約制定を支持しており、同月31日までの会議で禁止する範囲などの詳細については各国が意見を交わし、議長が本年5月までにたたき台となる条約案を示すことが見込まれている。

ところが、日本は、この会議に出席したものの、各国の代表者による意見表明の場で高見沢将林軍縮会議代表部大使は、今回の禁止条約交渉に反対し、今後の会議への不参加を表明した。すなわち、「今回の交渉では核軍縮での協力が不可欠な核兵器国の理解や関与が得られない」、「交渉会議に建設的かつ誠実に参加することは困難」と述べ、「核保有国抜きの禁止条約は実効性がなく核兵器国と非核兵器国、さらには非核兵器国間の分裂を広げ、核兵器なき世界という共通目標を遠ざける」とした。また、北朝鮮の状況にも触れ、「禁止条約がつくられたとしても、北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」とした。その上で、「現状では交渉に参加できない」とし、今後の会議への不参加を表明した。また、岸田文雄外務大臣も会見で、交渉不参加を決めた理由につき、高見沢大使と同様の説明をし、岸田外相は条約交渉について、「核兵器国と非核兵器国が参加する枠組みで努力することが現実的であり核兵器のない世界への最短の道と信じている」と述べた。昨年10月には岸田外相は参加を表明していたにもかかわらず被爆地出身としての責務を放棄し、米トランプ政権との軍事同盟からの圧力のもと変節したとしか考えられない。

初めての戦争被爆国でありながら、米国の核の傘の下にある日本が交渉会議に出席したものの、交渉のあり方に反対の意見を述べ、その後参加しないと表明するという、いわば会議の妨害に行ったとみられても仕方のないような行動を安倍政権が取ったことにつき、世界と日本の世論に逆行する行動であり、わたしたち広島の市民は強く抗議する。

核兵器の廃絶は、人類の悲願であり国連が、国際法で禁止することによるその実現に向けて動きだす意義は極めて大きい。ヒロシマは核被害の原点から核を否定する。核の絶対否定なしに核兵器の廃絶も原発の廃絶も達成できない。被爆者は、同じ地獄をどこの国の誰にも絶対に再現させてはならならないことを求めている。わたしたち広島市民は、原爆で亡くなった人々の無念の魂を背負って日本政府に対し、核兵器禁止条約の実現に向けて方針を転換することを求め、本年6月以降の会議に参加し核兵器国を巻き込む努力をすることを求める。私たちはヒロシマから希望を持ってこの画期的な核兵器禁止条約実現を通しての核兵器廃絶への道に力を結集し、ヒロシマからの声を挙げ続けていくものである。

2017年3月29日

 

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

核兵器廃絶への道―核兵器禁止条約制定に向けてのHANWA声明

3月 29th, 2017

核兵器廃絶への道―核兵器禁止条約制定に向けてのHANWA声明

1945年8月のアメリカによる広島・長崎への原爆投下から72年間、ヒロシマ・ナガサキはその未曾有の非人間的悲惨の極限をもたらされた体験から核兵器廃絶を訴え続けてきた。

私たちは、1997年のオタワ・プロセスによる地雷禁止条約、2008年のクラスター爆弾のオスロ・プロセスによる禁止条約成立から学び、志ある国家群と市民社会の提携により非人道的兵器を国際人道法の立場から法的に禁じてゆく道をと訴え2009年から赤十字国際委員会やNPTなど国内外で訴えてきた。

2013年から3回にわたる有志国家による核兵器の非人道性を問う国際会議に多数の国家と市民社会が連携し核の法的禁止の国際世論を大きく盛り上げてきた。

そして2016年には3回にわたる国連公開作業部会で論議され2016年の国連総会で圧倒的多数の国による賛同を得て核兵器禁止条約の交渉を開始する決議が採決されるに至った。

いよいよ国連の場で核兵器の法的禁止をめぐる交渉会合が2017年3月27日から5日間、さらに6月から7月に開かれ秋の国連総会に持ち込まれるが、国際的連帯のもとに一気に核兵器禁止の法的枠組みを現実のものにしていかねばならない。

核をめぐる状況は、米トランプ政権の危険な核増強政策、北朝鮮の核実験の脅威、日本など核抑止力依存国の核の先制不使用への抵抗など危険な緊張を呈している。

盛り上がる核兵器禁止条約への大きな国際的潮流に危機感を漲らせる米国をはじめとする核保有国およびその核抑止力を安全保障策とする日本政府などの抵抗を力ないものにしてゆかなければならない。

日本政府は、2016年の国連総会で核兵器禁止条約交渉開始の決議に反対し、さらに3月からの国連の交渉会議に参加することを未だ表明していない。安倍政権が米トランプ政権の圧力に屈し交渉会議を欠席し、その言い訳として「核保有国と非保有国の懸け橋になる」「段階的現実的な核軍縮を」と禁止条約に反対し続けていくなら世界の信頼を完全に裏切ることになる。

今こそ、国内外の世論に従い核兵器の廃絶のために日本政府が核兵器の非人道性を掲げ、国連の場で核兵器禁止条約成立を推進し信頼を取り戻すことを要求するものである。

ヒロシマは核被害の原点から核を否定する。核の絶対否定なしに核兵器の廃絶も原発の廃絶も達成できないことを確認する。日本政府の核抑止政策、原発推進政策、核燃サイクル維持、原発輸出政策などに反対する。

私たちはヒロシマから希望を持ってこの画期的な核兵器禁止条約実現を通しての核兵器廃絶への道に力を結集していくことを表明する。

2017年3月18日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

核廃絶への道 核兵器禁止条約・国連交渉会議いよいよスタート

3月 14th, 2017

※クリックして頂くと拡大します。


HANWA講演会

核廃絶への道

核兵器禁止条約・国連交渉会議いよいよスタート

演題 核兵器禁止条約から核廃絶へ

講師 山田寿則さん

世界に今なお1万5000発もある核弾頭の9割を保有する米ロの大統領がいずれも核戦力の増強を表明し、核危機が高まっています。一方で核兵器の非人道性が世界の共通認識となり、3月27日から、いよいよ国連で核兵器禁止条約交渉が始まります。 広島、長崎の惨劇から72年にしてついに国際法で核兵器の全面的禁止へと踏み出す画期的な一歩です。しかし、ここに至っても日本政府は米国の核の傘にしがみつき、禁止条約に反対しています。被爆国として禁止条約実現の先頭に立つよう政府の姿勢を変えさせなければなりません。被爆地の市民として何をなすべきか、核をめぐる国際法に詳しい山田寿則さんと一緒に考えませんか。

日時:2017年18日(土)14:00~17:00 (開場 13:30~)

場所:広島平和記念資料館 地下会議室1

(広島市中区中島町 平和公園内)

参加費:一般700円/学生300円

 

講師プロフィール

山田 寿則 (やまだ としのり)さん

国際反核法律家協会(IALANA)理事

日本反核法律家協会(JALANA)理事

明治大学兼任講師

共訳書/ジョン・バローズ著 『核兵器の違法性:国際司法裁判所の勧告的意見』

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核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

【共同代表】 青木克明 足立修一 森瀧春子

【事務局】〒730-0013 広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404号室 足立・西法律事務所内

【TEL】082-211-3342

【Email】 hanwa(@)e-hanwa.org  ※@の ( ) を除く

【HP】https://www.e-hanwa.org/

【郵便振替口座】加入者名:「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」

記号番号:01300-2-50889

【年会費】 2,000円

 

 

 

 

国連総会での核兵器禁止条約決議についての声明

12月 26th, 2016

内閣総理大臣安倍晋三殿

国連総会での核兵器禁止条約決議についての声明

12 月23 日の国連総会で核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」について来年から交渉を始めるとの決議が113 カ国の賛成多数で採択された。10 月の軍縮にかかわる国連第1委員会での採択に続くものであり、世界の人々は明らかに核兵器廃絶を望み、その実現に向けて歩み出している。しかし、核兵器保有国のうち米ロ英仏イスラエルは反対し、中国、インド、パキスタンは棄権した。核兵器被爆国でありながら、米国の核の傘の下にある日本は先の委員会と同様に決議案に反対した。世界と日本の世論に逆行する安倍政権の行動に、わたしたち広島の市民は強く抗議する。

22 日にはロシアのプーチン大統領が核ミサイルの強化を述べ、それに呼応してトランプ次期米国大統領がツイッターに核戦力の大幅強化を投稿したように、核兵器廃絶への道程は決して楽ではない。しかし、人類の悲願であり、国連がその実現に向けて動きだす意義は大きい。

わたしたちは日本政府に核兵器禁止条約の実現に向けて方針を転換することを求めると共に、世界の人々と連帯して核なき世界の実現に向けて、ヒロシマからの声を挙げ続けていくものである。

2016 年12 月25 日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

共同代表青木克明足立修一森瀧春子

事務局:〒730-0013 広島市中区八丁堀5-22

メゾン京口門404 号室

足立・西法律事務所

(TEL)082-211-3342

(Eメール) hanwa(@)e-hanwa.org