プーチン・ロシアのウクライナ侵略  抗議のキャンドル・アピール

3月 7th, 2022

プーチン・ロシアのウクライナ侵略
抗議のキャンドル・アピール


NO WAR NO NUKES НЕТ ВОЙНE
プーチンは侵略をやめよ︕核戦争をするな︕


 「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)」では、2 月24 日からのプーチン・ロシアのウクライナ侵略行為に対し、3 月8 日(火)に平和記念公園の原爆ドーム前にて、緊急の抗議アピールを行います。ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続くなか、プーチン大統領は、核兵器使用も視野に入れた戦闘態勢の指示を軍に行いました。核兵器による威嚇は、国際人道法違反です。これは許されることではありません。
 私たちは1000 本のキャンドルで「NO WAR NO NUKES・НЕТ ВОЙНE」(戦争・核兵器はいらない)の文字を描き、灯をともし、世界に向けて侵略行為の即時停止、核兵器の不使用を被爆者の方や広島市民とともに訴えます。


日 程︓2022 年3 月8 日(火)
時 間︓17︓45 ~ 19︓00 


内 容︓開会挨拶・趣旨説明
    キャンドルアピール(撮影) 
    声明文発表
    被爆者他リレートーク


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
代表 足立 修一
〒730-0013 広島市中区八丁堀5-22 メゾン京口門404 号室 足立・西法律事務所内
TEL 082-211-3342 E メール hanwa@e-hanwa.org 


進行


16︓00 実行委員集合 キャンドル準備


17︓45 キャンドル点火


18︓00 挨拶・趣旨説明 (HANWA 顧問 森滝春子)


18︓15 写真撮影


18︓30 声明文発表(HANWA 代表 足立修一)

市民・被爆者によるリレートーク

    箕牧 智之・広島県被団協理事長 

    佐久間邦彦・広島県被団協理事長 

    田中 聡・広島被爆者団体連絡会議事務局長 

    在広島のウクライナの人

    若者代表


19︓00 閉会・撤収

Statement to Commemorate the 1st Anniversary of the TPNW

2月 22nd, 2022

Statement to Commemorate the 1st Anniversary of the TPNW

Today marks the first anniversary of the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW) coming into force. As of today, 86 countries have signed it, with 59 having ratified it.
76 years ago, the city of Hiroshima was annihilated by the US Military attack. Casualties were not only Japanese, but there were many people from abroad exposed to radiation and were killed: those from the Korean Peninsula and Taiwan, both colonized by Japan, Chinese forced to work in Japan, American POWs, and Southeast Asians studying in Japan due to Japan’s policy. Direct exposure to radiation was caused when the bomb was detonated, but even after that, residual radiation affected people who entered the city after the bombing. Radioactive fallout reached those caught in Black Rain more than 30 kilometers from the hypocenter. Estimated fatalities at the end of the year 1945 numbered approximately 140 thousand, followed by deaths from leukemia and cancers until the present day. Nagasaki was bombed three days later and suffered similar damage.
In March 1954, a Japanese tuna fishing boat (Lucky Dragon No. 5) was exposed to radiation emitted from a hydrogen bomb test (1,000 times more powerful than the Hiroshima Bomb) at Bikini Atoll approx. 160km from the atoll. This incident triggered the movement in Japan against A- and H-bombs by hibakusha who rose up saying, “We know through experience that we must save humans from this crisis.” One result of the movement was medical care to Hiroshima and Nagasaki hibakusha started twelve years after the bombing.
In July 2017, the TPNW was adopted at the United Nations conference and was enacted on January 22nd, 2021. Nuclear weapons are now illegal by international law. This helped people around the world understand the inhumane consequences of nuclear weapons suffered by A-bomb hibakusha and nuclear victims throughout the world as well.
However, the five nuclear powers delivered a joint statement on January 3rd this year that a nuclear war cannot be won, without any mention of when and how to reduce more than the current 13,000 nuclear weapons, and when and how they will perform and complete their duty of nuclear disarmament (Article VI of the NPT). Since there has been a definite agreement among the member states to conclude the duty in previous Review Conferences, the TPNW is ‘an important treaty that could be regarded as a final passage to a world without nuclear weapons’ (Prime Minister Kishida), and as such, the nuclear weapon states cannot be excused from their duty to sign and ratify the Treaty.
We oppose the nuclear weapon states delaying the abolition of such weapons. We demand that the Government of Japan sign and ratify the Treaty immediately. We must also make a joint effort with global hibakusha who wish to see a world without nuclear weapons.

January 22, 2022
Shuichi Adachi
President
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)


※この英文は2022年1月22日HANWAより発出された「核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明」の英訳です。

2022年1月22日 広島バナーアピール

1月 22nd, 2022

2022年1月22日広島バナーアピール




核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明

1月 22nd, 2022

この声明は2022年1月22日にHANWAより発出されました。

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核兵器禁止条約発効1年にあたっての声明

 本日、核兵器禁止条約が発効し、1年が経過した。86か国が署名し、59か国が批准している。

 76年前、広島市はアメリカ軍の核兵器の爆撃により壊滅させられた。日本人だけではなく植民地支配していた朝鮮半島・台湾出身者、強制連行された中国人、アメリカ人捕虜や、国策により東南アジア諸国や中国から日本に留学した人たちも被爆したり死亡させられたりした。爆裂による直接の被爆だけでなく、残留放射線による被爆は爆撃後広島市内に入った人にも及び、放射性降下物による被爆は爆心地から30キロを超える地域の黒い雨を浴びた人にまでも及んだ。広島での死亡者は1945年末までで約14万人と推定され、その後も現在に至るまで白血病やガンにより死亡させられてきた。3日後に爆撃された長崎市も同様な被爆を受けた。

 1954年3月、アメリカによるビキニ環礁での水爆実験(広島原爆の1000倍の威力)により、爆心地から約160キロの距離に停泊していた日本のマグロ漁船(第五福竜丸)が被ばくさせられたことを契機として、日本では被爆者が「自らの体験を通して人類の危機を救おう」と原水爆禁止を求める運動に立ち上がり、また、広島・長崎の被爆者に対する医療援護が被爆12年を経て行われるようになった。

 2017年7月、国連で核兵器禁止条約(TPNW)が採択され、2021年1月22日に発効した。このことは、広島の被爆者をはじめとする世界の被爆者の被害、すなわち、核兵器の非人道的影響を世界の人々が広く認識するに至り、国際法で核兵器の使用が禁止された。核兵器廃絶に向けての大きな一歩となった。

 これに対し、本年1月3日、米ロを含む核兵器保有5か国は、「核戦争に勝者はない」と言及する声明を発した。しかし、具体的に、現在13000発以上存在する核兵器につき、いつ、どのように減らし、核不拡散条約(NPT)6条の核軍縮義務を履行し完結する(=廃絶する)のか、への言及はなかった。これまでのNPT再検討会議で軍縮義務を完結する明確な約束が合意されていることに照らせば、TPNWは、「核なき世界への出口ともいえる重要な条約」(岸田首相)であり、核兵器保有国がTPNWの署名・批准に背を向ける態度を取ることは許されない。

 私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながって核なき世界をめざしていきたい。

2022年1月22日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足 立 修 一

要請書

12月 14th, 2021

次の要請書は2021年12月13日にHANWAより発出されました。

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岸田文雄 内閣総理大臣殿
林 芳正 外務大臣殿
要 請 書


 2022年1月4日からニューヨークで核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれ、また、同年3月22日からウィーンで核兵器禁止条約締約国会議が開かれることになっています。これらの会議での議論は、核兵器廃絶に向けた重要な意義をもつものです。
 広島の被爆者は、長崎とともに、自らの被爆体験とその後の人生の苦しみ・悲しみをそして一瞬にして尊い数十万の命が奪われたことを他の誰にも経験させてはならないとの思いで、国内外で証言を続けてきました。このことが世界の人々を動かし、核兵器の非人道的影響が理解され、本年1月22日に発効した核兵器禁止条約に結実しました。史上初めて核兵器を全面的に禁止した条約は、被爆地広島・長崎の私たちにとっては、悲願そのものです。
私たちは、核兵器保有国がNPT条約第6条の核軍縮義務、核兵器を廃絶する明確な約束を遵守し、核軍縮を着実に進めること、及び核兵器禁止条約が普遍化し、国際人道法の原則に反する核兵器が二度と使用されないことを心から願っています。
 しかし日本政府は、核兵器禁止条約が目指す目標を共有しているとしながらも、日米同盟の下では米国の核抑止力を維持することが必要だとし、核兵器禁止条約は、核兵器保有国から支持を得られず、核軍縮に取り組む国際社会に分断をもたらしているとし、現時点で署名批准はできないとしています。
原爆投下で甚大な被害を受けた日本では、今なお多くの被爆者が原爆症をはじめとする疾病・障害で苦しみ、また、これまで援護から取り残されてきた「黒い雨」被爆者もようやく救済の緒につくなどその非人道的影響はますます明らかになっています。戦争被爆国である日本には、核兵器廃絶の先頭に立つべき道義的責任があります。
私たちは、NPT条約第6条が、核軍縮について「誠実に交渉する」義務を核兵器保有国に課しており、核廃絶を目指すことが合意されていることから、核兵器禁止条約はNPT条約を補完するものであると認識しています。

 核兵器が使用されると、人類の生存を根底から脅すことになる人道的影響がある。核兵器禁止条約を推進する国々のこの認識は、日本政府も共有できるはずです。よって全ての核兵器保有国が核の先制不使用を表明するよう働きかけるべきです。
 ことに岸田文雄首相は、爆心地のある広島1区選出の国会議員として初めて内閣総理大臣に就任し、広島の原爆被害の状況を最もよく知る立場にあり、つねづね「核兵器廃絶はライフワーク」と発言しています。日本の世論は、条約への署名・批准や締約国会議へのオブザーバー参加に積極的です。この声に応えるためには、安全保障を非人道的な核兵器に依存する核抑止政策から抜け出すことが不可欠です。非核三原則を有する日本が、北東アジア非核兵器地帯構想を検討することがその答えになります。アメリカとの軍事同盟であるNATO加盟国のドイツ、ノルウェーはすでに締約国会議への参加を表明しています。
 広島市の松井一実市長は過日、長崎市の田上富久市長とともに岸田首相に面会し、締約国会議への参加を直接求めました。「核兵器による平和」を否定し続けてきた広島の私たちが国会に送り出した岸田首相に求めるのは、核兵器の惨禍を体験した国として、主体的・自立的にリーダーシップを発揮することです。核兵器廃絶に向けて具体的なステップを踏み出した締約国会議に、戦争被爆国としての自立的意思でオブザーバー参加することはその第一歩ではないでしょうか。その先にこそ、日本政府の言う「橋渡し」のあり方が具体的に見えてくると考えます。
私たちは、日本政府に対して、広島、長崎への原爆投下の人類史上の意義と人道的影響を踏まえて決断を求め、以下のことを要請します。

1 日本政府として、核兵器禁止条約の署名・批准を行うこと。

2 NPT再検討会議で、全ての核保有国が核の先制不使用を表明することへ
の働きかけをすること。

3 核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加すること。

4 上記1を前進させるためには、日本が核抑止政策から抜け出す必要があり、そのために北東アジア非核兵器地帯構想の検討開始を表明すること。

2021年12月13日


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 代表 足 立 修 一

8・6国際対話集会~反核の夕べ2021

7月 20th, 2021

オンライン参加をご希望の方は上のQRコードから予約頂けます。

HANWA結成20周年

8・6国際対話集会~反核の夕べ2021

  核と人類は共存できない

核をめぐる危機的状況を明らかにし、世界の核被害者と連帯しよう!

核兵器禁止条約の批准推進・充実を目指そう! 

趣旨:

2021年1月22日に発効した核兵器禁止条約は、国連採択から4年目の今年7月12日で署名86ヵ国、批准55ヵ国となり、2022年1月には第1回の締約国会議が開催される。長年の闘いの結果実現したが、肝心の戦争被爆国・日本は署名も批准も拒否している。のみならず米国の核の傘に依存する日本は、米国が核の先制不使用政策を採ることにさえ抵抗している。

核兵器国米・中ロの軍事、経済、政治の全面にわたる対立の激化はバイデン政権に替っても、厳しくなる一方である。

世界の核被害者救済を打ち出した核兵器禁止条約は他方核の平和利用の権利は損なわないとし、また「平和利用」によっても核の被害者が生み出される現実と矛盾した欠陥がある。またヒバクシャは核実験、核戦争だけでなく核利用サイクルのあらゆる場面で拡大し続けていることに言及していない。締約国会議に向けて課題は多い。

日時:2021年8月6日 14301640

場所:広島弁護士会館3階大ホール

    (コロナ対策のため会場参加者は100人迄、そのほかはZOOM視聴で100人迄)

主催:核兵器禁止をめざすヒロシマの会(HANWA)

   :NO DUヒロシマ・プロジェクト

基調講演                   

講演者:ティルマン・ラフ博士 (Dr Tilman Ruff

演 題:「すべての核を否定し、人類の生存権・未来の環境権をまもろう」

 核兵器廃絶国際キャンペーンICAN共同創設者・初代会長核戦争防止国際医師会議IPPNW共同会長メルボルン大学准教授 公衆衛生・感染症専門医2015世界核被害者フォーラム・基調講演者

  通訳  荊尾 遥さん 

      広島女学院高・津田塾大出身、在オランダ日本大使館で化学兵器禁止条約専門調査員、国連軍縮部大量破壊兵器室で勤務後、インド工科大でJICA・日印プロジェクトを担当した。

スピーカー

 核被害地フクシマからから

     柴口 正武さん             

   「核と共存しようとした地域の今 ~原発災害の中の双葉地方の学校~

       福島県教職員組合双葉支部長、浪江町立なみえ創成中学校教諭

 広島出身の青年活動家として                      

 高垣 慶太さん

    「広島・長崎の医師、曾祖父たちと共に」

早稲田大学社会科学科1年カクワカ広島・ICANキャンぺナーすすめ!核兵器禁止条約プロジェクト 

 HANWAとして 

    森瀧 春子さん     HANWA共同代表・NODUヒロシマプロジェクト共同代表、「核の危機的状況と核被害を断つために」

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お申し込みについて

◆参加形式は、ZOOM 参加会場参加のどちらかとなります。

◆会場参加をご希望の場合、先着100名迄。資料代 500 円が必要となります。

ZOOM参加ご希望の方は下記メールアドレスに申込ください。先着100名迄

申し込みアドレス:

hiroshimahanwa2021@gmail.com

zoom参加の方には、カンパをお願いします。

振込先は、郵便振替 01300-2-50889 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会

NO NUKES FUTURE! TPNW 2021キャンドルメッセージ

1月 23rd, 2021

2021年1月22日(金)原爆ドーム前広場で開催、

17時~設置準備、18時~18時半集会

司会:渡部朋子(ICAN・HANWA運営委員)

HANWAメッセージ:足立修一(HANWA共同代表)

挨拶:森滝春子(HANWA共同代表)

写真撮影:中奥岳生

準備等、被爆者の方々はじめいろいろな方が参加されました。

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HANWA声明文(当日発表分)

「核と人類は共存できない」

非人道的、無差別大量虐殺兵器・核兵器は本日国際法によって禁止された。

これからが、人類と核との闘いだ。核なき未来を築くために。

核被害の根絶を! 核時代に終焉を! 連帯の絆を築こう!

核兵器廃絶の闘いは、米国が広島・長崎の上に無差別の虐殺兵器を投下して以来75年間、広島・長崎の被爆者をはじめとする多くの先人たちを中心に不断の闘いがとり組まれてきた。

この10年間は、NPT不拡散条約の枠内では核軍縮が全く進まない膠着状態で出口の見えない状態からの飛躍を求めて、有志国家と諸国際機関、NGOが連携して国連の枠を超えた積極的な取り組みが進んだ。広島では核兵器廃絶を目指すヒロシマの会(HANWA)が2009年から意識的に取り組み諸国際機関に働きかけてきた。

核による爆撃では、市民に対する無差別殺戮が行われ、日本の植民地支配の結果、日本に強制動員された朝鮮半島出身者や連合国の捕虜も犠牲となった。

核兵器禁止条約は、このような核兵器の使用による非人道的影響に着目し、核兵器を違法な兵器とし、その開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶を規定し、これまでの核による人間や環境の被害への支援、補償を求め、これにより、核兵器が存在する限り生じる危険性を一切排除するものである。

同じ思いの多くの国々や国連、国際赤十字・赤新月社運動、ICANなどのNGO団体とともに核兵器を法的に禁止することを求めて赤十字国際委員会や核不拡散条約(NPT)再検討会議など国内外で訴えてきた。条約の発効は、このような活動の一定の到達点として、新たなスタートに立つべき決定的な歴史的意義を持つものである。

今、核兵器をめぐる世界の状況は米露が核軍縮のための各種の条約を失効させ、小型核兵器の開発、実戦使用の道を進めるなど、核戦争をもたらす危機的状況にあるが、この動きを世界中から包囲し封じていかねばならない。

日本政府は、アメリカの核の傘に依存する安全保障政策を執り、核兵器禁止条約は、日本の安全保障を弱体化するものとして、同条約に署名しないとの態度を示している。

しかし、核の傘に依存するというのは、核兵器の使用を前提とするもので、ひとたびの核兵器の使用が連鎖的な使用に繋がり、ひいては、地球規模の気候変動により、人類、否、生物の生存自体が危険にさらされる事態を招来することが懸念されるのである。昨年来、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、これまでに200万人を超える人々の命が奪われた。軍事力をいくら強化しても、人々の命が守れない事態が起こっている。

日本の市民は、約7割が核兵器禁止条約に参加すべきとしている。

私たちは、日本政府に対し、核兵器禁止条約に一刻も早く早期に署名・批准することを求める。オバマ政権時代に「核兵器先制不使用」を核政策に盛りこもうとしたことに、日本政府が、強く反対し潰えたことがある。アメリカがバイデン政権になるこの時期に再びこのような核抑止力に依存した日本政府の姿を我々拒否する。

ヒロシマから世界へ  届けよう核被害者の声を!

2021年1月22日

   核兵器廃絶をめざすヒロシマの会

   核兵器禁止条約ヒロシマ共同行動参加者一同

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(HANWA声明文 ロングバージョン)

核と人類は共存できない」

非人道的、無差別大量虐殺兵器・核兵器は本日国際法によって禁止された。

これからが、人類と核との闘いだ。核なき未来を築くために。

核被害の根絶を! 核時代に終焉を! 連帯の絆を築こう!

核兵器廃絶の闘いは、米国が広島・長崎の上に無差別の虐殺兵器を投下して以来75年間、広島・長崎の先人たちを中心に不断の闘いがとり組まれてきた。

この10年間は、核不拡散条約(NPT)の枠の中では核軍縮が全く進まない膠着状態で出口の見えない状態からの飛躍を求めて、有志国家と諸国際機関、NGOが連携して国連の核を超えた積極的な取り組みが進んだ。広島ではHANWAが2009年から意識的に取り組み諸国際機関に働きかけてきた。

核に爆撃では、市民に対する無差別殺戮が行われ、日本の植民地支配の結果、日本に強制動員された朝鮮半島出身者や連合国の捕虜も犠牲となった。

核兵器禁止条約は、このような核兵器の使用による非人道的影響に着目し、核兵器を違法な兵器とし、その開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶を規定し、これまでの核による人間や環境の被害への支援、補償を求め、これにより、核兵器が存在する限り生じる危険性を一切排除するものである。

同じ思いの多くの国々や国連、国際赤十字・赤新月社運動、ICANなどのNGO団体とともに核兵器を法的に禁止することを求めて赤十字国際委員会や核不拡散条約(NPT)再検討会議など国内外で訴えてきた。条約の発効は、このような活動の一定の到達点として、新たなスタートに立つべき決定的な歴史的意義を持つものである。

今、核兵器をめぐる世界の状況は米露が核軍縮のための各種の条約を失効させ、小型核兵器の開発、実戦使用の道を進めるなど、核戦争をもたらす危機的状況にあるが、この動きを世界中から包囲し封じていかねばならない。

日本政府は、アメリカの核の傘に依存する安全保障政策を執り、核兵器禁止条約は、日本の安全保障を弱体化するものとして、同条約に署名しないとの態度を示している。

しかし、核の傘に依存するというのは、核兵器の使用を前提とするもので、ひとたびの核兵器の使用が連鎖的な使用に繋がり、ひいては、地球規模の気候変動により、人類、否、生物の生存自体が危険にさらされる事態を招来することが懸念されるのである。本年は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、これまでに115万人もの人々の命が奪われた。軍事力をいくら強化しても、人々の命が守れない事態が起こっている。

日本の市民は、約7割が核兵器禁止条約に参加すべきとしている。

私たちは、日本政府に対し、核兵器禁止条約に一刻も早く早期に署名・批准することを求める。ましてや、米国がオバマ政権時代に「核兵器先制不使用」を核政策に盛り込もうとして、日本政府などが強く反対し潰された。バイデン政権になるこの時期に再びこのような核抑止力に依存した日本政府の姿を我々は拒否する。

核利用のサイクルはウラン採掘に始まり、精錬、核兵器・核燃料製造、核実験、核兵器使用、原発稼働、原発事故、使用済み核燃料の再処理、核廃棄物の保管・処分、劣化ウラン兵器使用など、あらゆる段階で放射能による広範な環境汚染と人体への深刻な影響をもたらしてきた。

世界各地で行われた2千回を超える核実験は世界中に放射能汚染を広げ、実験場周辺だけでなく広い範囲の住民の命と健康、暮らしを奪い取ってきている。

世界の400基を超える原発では、労働者は通常稼働状況下でも被曝を余儀なくされています。チェルノブイリ事故、福島原発事故では膨大な量の放射能が放出され、数十万人の人々の命と健康、暮らし、ふるさとを奪い、地球規模で環境を汚染してきた。

我々は、インドのウラン鉱山採掘現場、劣化ウラン弾を撃ち込まれたイラクの現場、ネバダ核実験場の風下住民の現場、そして原発大事故により失われた福島の人々の生活・健康・自然環境の現場など核災害の地を訪れ現地調査をしてきた。ここに見られるのは必ず、一握りの巨大資本の利益やそれを代弁する政治家のために理不尽に踏みにじられる民衆の犠牲の姿である。

核は、その開発の入り口から出口に至るあらゆる過程で、甚大な被害を人間や環境に及ぼしてきました。ウラン鉱山での採掘、ウランの精錬、ウラン鉱滓の廃棄、ウラン濃縮過程、核兵器製造、核実験、核兵器使用、原子力発電の事故・放射能漏れ、原発労働、核廃棄物利用の劣化ウラン兵器使用などすべての場面で、深刻な放射能被害をもたらす実態を見せつけられてきた。

インドにおける核開発は、ウラン鉱山周辺に住む先住民の人権を踏みにじりながら深刻な環境汚染、人体への放射能被害を引き起しています。我々は現地を何度か訪れて専門家の協力のもとに実態調査や先天性障害児などの支援をしてきたが、放射能による環境汚染、出産異常、多指・欠損指、眼球欠損、先天性知的障害、小頭症、巨頭症など先天性障害の多発、白血病・がんなどによる高い死亡率など悲惨な実態が明らになった。原発や核兵器の原料とするためのウランの採掘はインドのほかにもオーストラリアの先住民アボリジニー地域やアメリカ、カナダの先住民地域などで続けられている。いずれの地域でも先住民の生活、基本的人権を奪いながら放射能被害を押しつけているのだ。

湾岸戦争に続きイラク戦争においても放射能兵器である劣化ウラン弾の大量投下がなされた結果、深刻な状況を引き起こしている。イラク戦争直前、直後のイラクへ赴き戦争被害や劣化ウラン被害調査や支援をしてきた。訪れる病院で見る多くの子供たちの苦しみ―白血病で末期症状を示す子どもたち、脳など身体のいたる所へのがん転移、心身に先天性障害を持たされた上に、様々ながんに苦しみ死んでいく子どもたちの様子は、広島における原爆投下後の被害の状況と重なるもので、劣化ウラン兵器がもたらす放射能被害の凄まじさを示していた。劣化ウラン弾による放射能汚染は、採集し持ち帰ったチリ、土壌、水、尿などのサンプルの専門機関による分析によって明らかになっている。飲料水、土壌の汚染、白血病を患う子供たちの尿に取り込まれた劣化ウランの検出は、すでに顕著ながんなどの著しい発症増加の現状から今後の深刻な状況が懸念されている。劣化ウラン兵器は、核開発サイクルの出口での問題であるが、原発燃料や核兵器製造に使用する核分裂性放射能元素235を取り出した滓の核廃棄物を利用した兵器であり、原発・核兵器と表裏の関係にある。

福島原発事故後、現地を何度か訪れた。原発事故で取り返しのつかない被害を蒙った飯舘村をはじめ、伊達市、南相馬市の原町区、小高区、川俣町、福島市松川町などの核被災の現場を歩き、多くの被災した人々にも出会った。イラクで使った放射線量計を日本国内で使うことになるとは予想もしていなかったが、各所で測定して歩いたところ、2012年11月、事故後1年8ヵ月経った時点でしたが福島各地の放射線量は非常に高くイラクでの劣化ウラン汚染による放射線量値と同程度かそれを上回る数値を示し、福島各地では深刻な放射能汚染がきわめて広範囲に起きてしまっている事実に改めて愕然とさせられた。農業、牧畜業が放棄されている地域では自然の荒れが目立ち、原発事故災害に加えて津波被害地でもある南相馬市・小高地区などでは、震災後長らく避難指示と警戒区域指定のため遺体捜査にも入れない状態で、農地か沼地か区別もつかないほどの荒地には、あちこちに壊れた船や家、自動車などの残骸が集められることもなく放置されていました。

浪江町警戒区域の無人ゲートの横には、牧場が広がり数多くの牛たちがいた。そこで牛たちに飼料を与えるため来ていた「希望の牧場」代表の吉澤正巳さんたちに出会った。原発事故により放射線被曝をした牛は出荷できないままに、警戒地域に指定され、移動さえもできなくなり、それゆえに、取り残された牛の多くは餓死・ミイラ化したり、生き残り野生化した牛も、国は殺処分の決定をしました。浪江町の400軒の和牛農家の人々は置いてきた牛への断腸の思いと米作りや野菜、果物など物づくりのできなくなった我が大地への思いでノイローゼになる人が多く、自殺者も出たという。被曝のリスクを負いながら牛の命を守るために餌をやり続ける吉澤さんの必死の訴えに釘付けとなり衝撃を受けた。

ウラン鉱山では採掘労働者だけでなくウラン鉱滓、精錬廃液などの放射性廃棄物による環境汚染で周辺の住民は、がん、白血病などに苦しみ、子どもたちには先天性障害が多発している。

核兵器や核燃料用ウランの濃縮過程で出る放射性廃棄物=劣化ウランの一部は劣化ウラン弾として湾岸戦争以来、バルカン紛争、ソマリア攻撃、イラク戦争などで大量に使用され、放射能による広範な環境汚染と人体への深刻な影響をもたらしてきた。

核の利用が、軍事利用であれ、商業利用であれ、深刻な放射能被害をもたらし、地球を破滅に向かわせるものであることは、引き起こされている現実が明らかにしている。

私たちは、インドのウラン鉱山採掘現場、劣化ウラン弾を撃ち込まれたイラクの現場、ネバダ核実験場の風下住民の現場や南太平洋の島々と世界各地の核実験場の現場、そして原発大事故により失われたチェルノヴィリ、福島の人々がその生命、健康、生活、自然環境を破壊された状況を現場検証し調査してきた。こうした悲劇の被害者は無防備で弱者の立場にある。いつもそこに見られるのは、一握りの権力者、資本の利益のためにいわれもなく理不尽に踏みにじられる民衆の犠牲である。彼ら権力者の利己的な行動を許せません。

核兵器も、劣化ウラン兵器も原発も人間の生きる権利を根底から破壊してきた。核利用の過程で不可避的に出る放射性廃棄物、特に原発の使用済み核燃料やその再処理で出る高レベル放射性廃棄物は、処分方法も廃棄場所も全く見通しのつかない状態で人類の未来を脅かしています。日本政府は六ケ所村の使用済み核燃料再処理の稼働を始めようとしており、北海道に押し付けようとしている廃棄場の目処も立っていない。

核燃料サイクルを存続させるとプルトニウムが生産され、核兵器の自国保有への懸念も残すことになる。

日本国政府は福島原発事故から何も学習していない。それどころか情報を隠蔽し、被害を矮小化しています。それによって被害者支援を打ち止めにしようとすると同時に、原発推進政策のもと原発再稼働を進めさらに原発の海外輸出もチャンスを狙っている。我々は日本をはじめほかのいかなる国による原発およびその他核施設の建設,運営、輸出に断固と反対します。

核の惨事を完全に予防することは不可能です。放射能汚染は永遠に続きます。汚染された環境を元に戻すことは不可能です。人類は核エネルギーの利用を完全に放棄しなければなりません。

私たちは、広島、長崎被爆70周年の2015年に、核利用がもたらした非人間的な核災害の原点・ヒロシマで「核と人類は共存できない」という核絶対否定の理念を掲げ、核兵器を廃絶し核利用を根絶するために世界核被害者フォーラムを開催した。3度目の核兵器使用・核戦争を食い止め、核兵器廃絶のためのもっとも近道である核兵器禁止条約を求めます。

世界核被害者フォーラムでは、表裏一体で進められる核の軍事利用と商業利用の核サイクルの過程で生じる放射線被害のさまざまな実態を明らかにし、被害者の救済を図る補償の国際的規範と体制を国際的連帯のもとにつくりたいと思います。

また、世界のヒバクシャが連携し、核被害をこれ以上ふやさないため、核被害情報センターを設置し、核利用サイクルを断つための国際的ネットワークを作る基礎を固める場とします。被爆75年を期してこの核被害者フォーラムの報告記録集を出版し全国の大学図書館、公立図書館などに配布した。これからの未来を担う人々に実態を知っていただきたい。

フォーラムの宣言として、ヒロシマから「世界放射線被害者人権憲章」を世界に発し、国連人権委員会、国際赤十字、国際NGOなど国際社会への働きかけをしていきます。

世界のヒバクシャは核被害の根絶のために連帯しましょう。

「核兵器禁止条約」が今後もっと実態に即した内容になるため、世界の核被害者が核兵器の被害者だけでなく、核利用サイクルによってもっと深刻化し人類の存続が危うくなることを訴えていこう。

ヒロシマから世界へ  届けよう核被害者の声を!

2021年1月22日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
核兵器禁止条約ヒロシマ共同行動参加者一同

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HIROSHIMA ISSUES A HEARTY WELCOME TO THE CONFIRMATION OF THE NUCLEAR BAN TREATY COMING INTO EFFECT

11月 25th, 2020

HIROSHIMA ISSUES A HEARTY WELCOME TO THE CONFIRMATION OF THE NUCLEAR BAN TREATY COMING INTO EFFECT

On October 24, it was confirmed that the UN Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons would enter into force on January 22 2021, ninety days after the 50th country Honduras submitted its ratification of the treaty.

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA) welcomes the event from the bottom of our heart.

For 75 years since the US atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, the citizens have continued their appeal to the world for the abolition of nuclear weapons. These cities experienced the most inhumane atrocities of indiscriminate attack, in which those forced to come from the Korean Peninsula and POWs of the Allied Forces also lost their lives.

The Treaty, concerned about the inhumane consequences caused by using such weapons, makes nuclear weapons illegal and prohibits signatory countries from developing, testing, manufacturing, stockpiling, transferring, and using and threatening to use nuclear weapons. It also requires the damage caused to victims and the environment, as a result of testing, or use of nuclear weapons, to be remedied and given assistance and compensation. The Treaty thus attempts to eliminate all the risks that remain as long as nuclear weapons exist.

Sharing the hibakusha’s wish that the same experience shall never be repeated, we have worked to ban nuclear weapons legally in cooperation with many countries, as well as the United Nations, the International Red Cross, the Red Crescent, and NGOs such as ICAN. The fact that the Treaty is now ready to be effective is historically significant because it is the result of these activities and it marks a point at which we can make a new start.

The current state of affairs surrounding nuclear arsenals is in danger of leading to nuclear war. America and Russia have made several nuclear disarmament agreements null and void and are developing smaller tactical nuclear warheads, enabling them to be used in actual warfare. This must be blocked and stopped globally.

The Japanese Government, under the American nuclear umbrella, has not signed the Treaty asserting that it weakens Japan’s security.

However, depending upon the nuclear umbrella presupposes that nuclear weapons may be used. Using just one of these weapons could lead to chain-reaction detonation of nuclear warheads. It is feared, by the same token, that nuclear warfare might cause global climate change which endangers the very existence of humans, as well as all living things.  This year, the coronavirus pandemic has claimed the lives of more than one million people (as of Oct. 27). Strengthening military power does not save people’s lives.

About seventy percent of Japanese people agree that the government should join the Treaty.

We demand that the Japanese Government sign and ratify the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons as soon as possible.

We, the people of Hiroshima, are filled with hope and announce our heartfelt welcome of the epoch-making Treaty.

We hereby express that we will focus our efforts toward the achievement of the abolition of nuclear weapons.

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

October 25, 2020

ヒロシマは核兵器禁止条約の発効確定を心から歓迎する

10月 28th, 2020

ヒロシマは核兵器禁止条約の発効確定を心から歓迎する

 本日(現地時間10月24日)、核兵器禁止条約の発効が確定した。50カ国目の批准国となるホンジュラスが批准書を寄託したことによる。同条約は、90日後の2021年1月22日に効力を生ずることとなった。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)は、このことを心から歓迎する。

 1945年8月のアメリカによる広島・長崎への原爆投下から75年間、ヒロシマ・ナガサキはその未曾有の非人間的悲惨の極限をもたらされた体験から核兵器廃絶を訴え続けてきた。これらの爆撃では、市民に対する無差別殺戮が行われ、日本の植民地支配の結果、日本に強制動員された朝鮮半島出身者や連合国の捕虜も犠牲となった。

 核兵器禁止条約は、このような核兵器の使用による非人道的影響に着目し、核兵器を違法な兵器とし、その開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶を規定し、これまでの核による人間や環境の被害への支援、保障を求め、これにより、核兵器が存在する限り生じる危険性を一切排除するものである。

  私たちは、「同じ思いをもう2度とさせたくない」と願う被爆者とともに、同じ思いの多くの国々や国連、国際赤十字・赤新月社運動、ICANなどのNGO団体とともに核兵器を法的に禁止することを求めて赤十字国際委員会や核不拡散条約(NPT)再検討会議など国内外で訴えてきた。条約の発効確定は、このような活動の一定の到達点として、新たなスタートに立つべき決定的な歴史的意義を持つものである。

 今、核兵器をめぐる世界の状況は米露が核軍縮のための各種の条約を失効させ、小型核兵器の開発、実戦使用の道を進めるなど、核戦争をもたらす危機的状況にあるが、この動きを世界中から包囲し封じていかねばならない。

 日本政府は、アメリカの核の傘に依存する安全保障政策を執り、核兵器禁止条約は、日本の安全保障を弱体化するものとして、同条約に署名しないとの態度を示している。

 しかし、核の傘に依存するというのは、核兵器の使用を前提とするもので、ひとたびの核兵器の使用が連鎖的な使用に繋がり、ひいては、地球規模の気候変動により、人類、否、生物の生存自体が危険にさらされる事態を招来することが懸念されるのである。本年は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行により、これまでに115万人もの人々の命が奪われた。軍事力をいくら強化しても、人々の命が守れない事態が起こっている。

 日本の市民は、約7割が核兵器禁止条約に参加すべきとしている。

 私たちは、日本政府に対し、核兵器禁止条約に一刻も早く早期に署名・批准することを求める。

 私たちはヒロシマから希望を持ってこの画期的な核兵器禁止条約の発効を心から歓迎し、核兵器廃絶への道に力を結集していくことを表明する。

2020年10月25日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA

被爆75年 8・6ヒロシマ宣言

8月 20th, 2020

 

 被爆75年を迎える直前の本年7月16日、米トランプ大統領は1945年
7月16日の原爆製造成功を称えて「アメリカは偉業を遂げ、核抑止力で世界の
利益に貢献してきた記念日だ」と述べ私たちを挑戦的な言動で怒らせました。核
兵器禁止条約発効を目前にして焦り妨害しようとするものです。
 本日、私たちは〝迫る核危機を乗り越えるためにヒロシマは何をなすべき
か″を考える機会を持ちました。
 INF失効後の米露の新たな核・ミサイル開発競争、イランとの核合意破棄、
2021年に期限が迫る米露の新START、核兵器実戦使用のための小型核
開発をはかる米トランプ政権の爆発を伴う核実験再開の示唆など、今核をめぐ
る危機的な状況が如何に高まっているのか。
 核廃絶のためには、このような複雑に動く内外の情勢の的確な把握が必要で
あること、沖縄における日米の軍事同盟の実態や世界の核情勢を第一線で取材
を進めている琉球新報の新垣記者から知識を共有し、オキナワ-ヒロシマ-ナ
ガサキが連帯して何をなすべきか考えあいました。
 米国をはじめとする核保有国や、日本など核抑止力に依存する国々は、国連で
の核兵器禁止条約採択に反対し、禁止条約の発効を何とか潰そうと躍起になっ
てきました。被爆国日本の政府は禁止条約に真っ向から反対するとともに核兵
器実戦使用を打ち出した米トランプ政権の「NPR:新しい核態勢の見直し」を
高く評価し、六ケ所村核燃料サイクルを動かそうとするなどプルトニウムのさ
らなる備蓄を伴うこの動きは、国際社会から不信を招いています。
 しかし、もはや「法的に禁止する」という国際的潮流を止めることはできず、
本年7月7日現在、核兵器禁止条約に81ヶ国が署名、そのうち40ヶ国が批准
するに至っています。
 ICANをはじめとする国際NGOの取り組みでここまで来ましたが、10
ヵ国をそこに加える戦いは終わっていません。また、核兵器関連企業への投資か
ら手を引くよう求める金融機関への取り組みにより世界の100近い金融機関
が2017年以降取引から撤退してきています。核兵器禁止条約の発効を連帯
の力で一層進めていく正念場です。
 INF全廃条約を失効させた米トランプ政権は、中国・露との対立を激化しア
ジアやヨーロッパへの地上配備型中距離ミサイルの配備を目指し動きだしました。本年5月には「領空開放(オープンスカイ)条約」からの脱退を実行しています。
 安倍政権は、日米軍事同盟強化の要として日本への地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」配備を秋田、山口両県に導入しようとしましたが、技術的な問題や地元の猛反対などから最近頓挫し撤回に追い込まれました。しかし、代りにNSC(国家安全保障会議)で、防衛大綱の見直しを図りミサイル防衛などの検討に加え、専守防衛を逸脱する危険な「敵基地攻撃能力」を保有するとの論議に入っています。
 新たな東西冷戦と言われる状況の中で、核戦争の危機が生み出されています。本年春のNPT(核不拡散条約)再検討会議は、世界を襲っている新型コロナウィルスの猛威で延期されましたが、NPTが課した「核軍縮の努力義務」はすでに崩壊してしまっている状態です。
 コロナウィルスによる犠牲は世界の弱者にのしかかり、それを尻目に巨額の税金を軍拡に投じる為政者たちは、同時に悲惨な貧困、放射能被害、ウィルス被害などあらゆる被害の真相を隠蔽し、切り捨てて来ています。
人類に敵対する違法なものとして核を明確に規定し、その開発、製造、実験、移転、威嚇などを禁止し、すべての核被害者への支援・環境汚染の除去などを規定する国際法―核兵器禁止条約―の発効こそが、核を葬る決定的な人道的理念・手段として緊急に求められています。
 <核と人類は共存できない>という歴史的現実から生まれた共通認識のもと、ヒロシマは連帯して巨大な核権力に立ち向かっていこうと世界に訴えます。

2020年・被爆75年8月6日
8・6国際対話集会~反核の夕べ2020 参加者一同