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HANWA第4回総会のご案内

火曜日, 5月 18th, 2004

日時:5月21日 午後6:30-8:30
場所:原爆資料館地下 メモリアルホール
資料代:500円

1)第4回 総会
 ・開会あいさつ
 ・活動報告
 ・会計報告と監査       
 ・活動方針(役員体制含む) 
   
2)記念イベント:

被爆者との対話で生み出す未来の力
    被爆60周年に向けてあなたと私ができること
 
  ・広島長崎原爆投下を裁く国際民衆法廷    田中利幸 
  ・2005年NPT再検討会議を核兵器廃絶のきっかけに
   NPT再検討準備会議の報告           岡本三夫 
  ・北東アジア非核地帯化の推進          井上正信(予定)
  ・子どものための平和プログラム
       若い世代との交流体験継承を含める   夏原信幸

 被爆60周年を来年に控え、60才定年制で言えば、職場にいる現役労働者は被爆や空襲体験を持たない人だけになる。世代を越えて、核兵器廃絶への世論を形成することの重要性が飛躍的に高まる時期に入ります。同年4月には、NPT核不拡散条約の再検討会議がニューヨークで開催され、核兵器禁止条約の締結へ向けた交渉の開始を迫り、核兵器廃絶への道筋を付けるために極めて重要な場になります。
 その中で、広島・長崎から被爆者を柱として市民の声を発信することが求められる。折しも、広島市・長崎市を先頭とした平和市長会議が提唱している「核兵器廃絶のための緊急行動2020ビジョン」を強く意識し、それをより加速させるために、自治体と市民NGOが協力し連携していくことが強く求められています。
そこでHANWAの第4回総会を下記の日程で開催します。記念イベントとして、4つのテーマに関する発題を受けて、コメンテーターとして被爆者からコメントを出していただき、<あなたと私>が何ができるのか、何をすべきなのかを主体的に考える機会にしたいと企画しました。是非ともご参加ください。

3.27核兵器廃絶をめざすヒロシマのつどい

土曜日, 3月 27th, 2004


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会では、2004年3月27日(土)午後2時より、広島市平和記念資料館にて、「3.27核兵器廃絶をめざすヒロシマのつどい ~2005年NPT再検討会議への提言~」を開催いたします。基調提起に(財)広島平和文化センター常務理事 本多正登氏、発表者にアーロン・トビッシュ氏(国際NGO)や梅林宏道氏 (ピースデポ・核軍縮日本の成績表)など多彩なゲストを迎えます。

3.27核兵器廃絶をめざすヒロシマのつどい
~2005年NPT再検討会議への提言~

日 時:2004年3月27日(土)午後2時~6時
場 所:平和資料館地下 メモリアルホール
資料代:500円

内容(案)
第1部 自治体と市民の連携で核兵器廃絶の道筋を

基調提起 本多正登氏 (財)広島平和文化センター常務理事 
    「核兵器廃絶に自治体の力を」(仮題)
リレートーク アーロン・トビッシュ氏(国際NGO)、 被爆者、広島の非核自治体首長(交渉中)、市民運動 他より

第2部 パネルディスカッション「日本からの提言」

外務省(交渉中)、 核軍縮議員ネットワーク(交渉中)、梅林宏道 (ピースデポ・核軍縮日本の成績表)、 長崎の市民運動、 広島の市民運動 他より

第3部 2004年5月NPT準備委員会への提言採択

共 催 : 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
       (財)広島平和文化センター

連絡先:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)事務局
広島市中区上八丁堀8-23林業ビル4階 ℡082-502-3850

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自治体と市民がつながることで
   核兵器廃絶への道すじを作ろう!

3月27日(土)は、メモリアルホールに

 1945年8月、広島・長崎への無差別攻撃で始まった核文明は、今なおそのグロテスクな姿を保ったままです。特にアメリカは、21世紀が始まって4年が経つ今、CTBT包括的核実験禁止条約を反故にし、使用可能な超小型の核兵器開発に動こうとしています。

 広島・長崎の被曝者は、もう待ちきれないという想いに駆られています。核兵器廃絶に向けて、どのような道筋をつけるのかが切実な課題となっています。そのひとつの手がかりが、アメリカなど核保有国の「保有核兵器の完全廃棄」の約束を取り付けた2000年NPT(核不拡散条約)再検討会議の到達点です。NPTそのものは、5核保有国が核兵器を持つことを合法化した上で、他の国に核が拡散することは禁止するという差別性を持つ一方的な条約です。それを踏まえたうえで、現存の国際環境の中で、核兵器廃絶をめぐる争点をつくる場として、2005年NPT再検討会議を位置づけることができるはずです。折りしも、広島市・長崎市の市長が2005年NPT再検討会議に向けて、世界中の自治体の首長が核兵器廃絶のために声をあげようとの「核軍縮シテイ・キャンペーン」を始めています。

2005年のNPT再検討会議を、核兵器廃絶のための歴史的な契機にするために、広島・長崎が何をできるのか、被爆国としての日本が何をすべきなのかを明らかにするために、自治体と市民・NGOの協力が必要です。

長崎、首都圏の皆さんとも連携しながら、1年かけて大きな動きをつくっていくために、まず第一弾として、3月27日、広島で本シンポジユームを開催することになりました。 つどいでは、第一部で、広島市から「シテイ・キャンペーン」の提起を受けて、市民との連携について考えます。更に第二部で、日本からどのような提言をしていくのかを、幅広い立場から議論する場にすることをめざし、パネラーとして、外務省、核軍縮議連、NGOを迎えます。同様の試みは、1998年の「東京フォーラム」に対し、市民の声を届けようと、市民と政府関係者との対話の場を作るものとして4度にわたるシンポを開催した経緯があります。
市民が主体的に行動をはじめることが求められています。
市民の皆さん! ぜひともご参加ください。

イラク戦争と劣化ウラン弾被害を改めて問う

日曜日, 3月 7th, 2004

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      ■イラク攻撃開始1周年‐‐‐3/20フォーラム■

     ■[イラク戦争と劣化ウラン弾被害を改めて問う]■

         ■~イラク医師たちを迎えて~■

          ■NO WAR NO DU!■
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アメリカによるイラクへの攻撃開始からちょうど1年。いまだ不法な占領状態が続いて
います。またもや大量に使用された非人道的放射能兵器・劣化ウラン弾(DU)による
放射線汚染が深刻であり、医療現場が過酷な条件の中にあって、こどもたちの命を
救おうと、懸命に取り組んできたイラク医師たちより、イラク現場からの貴重な報告や
問題提起を頂きます。その上で、ヒロシマとしてイラクの人たちに連帯して何をなすべ
きか?日本がすべき支援とは一体何なのか?考え合いたいと思います。

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□日時: 3月20日(土)17時~19時

□場所: 広島平和記念資料館・地下会議室1

□第1部 イラク医療現場からの報告

  ● モハマド・ハッサン 医師  バグダッド教育中央病院

  ● アサド・アーメル 医師  バスラ教育病院

□第2部 質疑・意見交流  一般市民、中・高校生 たちと

両医師は、現在「セイブ・イラクチルドレン・名古屋」の招聘により、1月から7月まで、
日本の医学を学ぶため、名古屋大学医学部で研修中です。1991年の湾岸戦争以降、
経済制裁の影響もあって、日本では助かる命も助からないという深刻な医療状況の中、
日本・ヒロシマに強く期待されています。

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主催: NO DU(劣化ウラン弾禁止)ヒロシマ・プロジェクト

共催: 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
共催: (財)広島平和文化センター

問い合わせ先: 
NO DU ヒロシマ・プロジェクト&nbsp
森瀧春子 携帯 090-9064-4705

E-mail order@nodu-hiroshima.org

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8・6ヒロシマ国際対話集会・反核の夕べ2003

火曜日, 7月 15th, 2003

8・6ヒロシマ国際対話集会・反核の夕べ2003
―2005NPT再検討会議に向けヒロシマはどうする―

よびかけ
 2003年3月、アメリカは、大量破壊兵器保有の「疑い」があることを理由に、「自衛」の名において、核兵器の使用を含めた先制攻撃を仕掛ける権利があるとし、政権の転覆を図るブッシュ・ドクトリンを、初めてイラクに適用した。

 更にイラン、朝鮮民主主義人民共和国などの「核拡散」に矛先をあてつつある。これは極めて一方的である。

 改めて、2000年のNPT再検討会議の到達点を振り返り、その履行を求めていくことが重要である。核保有を正当化されているこの五つの『核保有国』が、「保有核兵器の完全廃棄に関する明確な約束」をしたことは、核兵器廃絶に向けた20世紀の最高の到達点である。これにこだわること、被爆地から何が必要なのかを明らかにし、それを具体化することが強く求められている。

 58回目の原爆忌に国際的な観点から議論する場にしたい。

日時・場所
とき 8月6日(火) 午後4時~6時30分
ところ 広島平和記念資料館地下/メモリアルホール(平和公園内)
参加費 資料代500円

プログラム
●オープニング 市民による合唱=市民合唱団
         『世界の命=広島の心』(作詞:原田東岷、作曲:藤掛廣幸)
●発言
◆北東アジアの非核・平和への展望    井上正信(日本反核法律家協会)
◆2005年に向けて新アジェンダ連合から   カール・レイフランド(スウェーデン駐日公使)    
◆イラクの医師から        ジャワッド・アル・アリ医師  ジョナン・カリブ・ハッサン医師
◆ イラク戦争被害・劣化ウラン弾ヒロシマ調査団から 森瀧春子(HANWA共同代表) 
◆ヒロシマの役割               湯浅一郎(HANWA運営委員)

主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
    Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
後援:(財)広島平和文化センター

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会第三回総会

火曜日, 4月 15th, 2003

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
第3回総会と記念講演のご案内
 

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会が2001年春に船出してから3年目に入ります。

 この間、2001.9.11事件、今も終わらないアフガン戦争、そして「自衛のための先制攻撃」を正当化したイラク攻撃と、あまりにめまぐるしい21世紀のスタートとなりました。ヒロシマ・ナガサキからの訴えの重要性は、日増しに強まっていると言わざるを得ません。

 夢中で走ってきた2年間を振り返りつつ、次への飛躍を果たすべく、第3回の総会と記念講演を行いますので、ご案内いたします。

是非ともご参加下さいますようお願い申し上げます。

 と き: 5月9日(金) 午後6時から8時
 ところ: 原爆資料館地下一階 「メモリアルホール」

 プログラム:

  第一部 18時00分-40分   第三回総会
  第二部 18時40分-20時00分 記念講演
       吉村慎太郎さん (広島大学総合科学部)
       「イラク戦争とは何だったのか -中東の現状に即して考える」
 資料代: 300円 (イラク戦争1ヶ月間のドキュメント含む)

「花を持って原爆ドームに集まろう!」

火曜日, 4月 8th, 2003

 2003年の春、イラクでは・・・ 

      開戦から1ヶ月、イラクで起こったこと

      正義の戦争なんてあるはずがない

 3月20日午前5時(イラク時間)過ぎ、米英軍による対イラク空爆が始まった。
ブッシュ大統領は開戦演説で「米国民とその同盟国は、大量破壊兵器で世界の平和を
脅かす無法者の体制のなすがままにはならない」と述べ、フセイン政権打倒を戦争目
的にうたった。2001年9月11日の米テロ事件を発端にした、国際社会の「テロとの戦
い」は、大量破壊兵器開発を続けた疑いのあるフセイン政権打倒の戦争へと突き進ん
だ。

 イラク情勢をめぐっては、米政府が昨年11月の国連安保理決議1441採択以
来、一貫してイラク政府に「武装解除を行う」よう求め、国連安保理の決議すらない
まま、国連憲章にも違反する先制攻撃を始めたのである。

 初日の攻撃は、いきなり首都バグダッドに巡航ミサイル・トマホーク40発を撃ち込
み、フセイン親子を狙って「レジーム・チェンジ」(体制変革)を実現しようとした
暗殺攻撃である。ペルシャ湾に展開する米空母キティホークが率いるミサイル巡洋艦
カウペンズもトマホーク10発以上を発射した。言うまでもなくこれらは、日本の神
奈川県横須賀基地から出動した艦船である。

 その直後の21日から「衝撃と恐怖」と名付けられた集中的な大規模空爆が始まっ
た。21日夜、米軍が発射したトマホークは320発にのぼり、投下した爆弾はすべ
て精密誘導爆弾だった。「火力は湾岸戦争の三倍」である。この攻撃では何の罪もな
いイラク市民にも被害が及んだ可能性が高い。この夜、キティホークから空爆に出撃
したのは延べ60機。星が埋め尽くす夜空に向けて爆音とともに次々と発艦した。同
時に地上軍がクウェートから侵攻し、一部はバグダッドに向けて一直線に砂漠を北上
した。イラクへの地上部隊の侵攻直後には、クウェート国境に近い拠点の港湾都市ウ
ムカスルで激しい戦闘があった。

 夜空を赤黒く焦がすせん光。静寂を何度も切り裂くごう音-。22日未明から、バ
グダッドは米英軍による大規模な空爆にさらされた。イラクの首都はいたるところで
灰色の煙が上がり、炎に包まれた。「あちこちで火の玉が飛び交った」。

 バグダッド市内の自宅にいたある政府軍兵士は、国際電話取材に対し「たった今も
『ボン、ボン、ボン』と爆発音が連続し、コンクリート造りの家が揺れた。今までで
一番ひどい爆撃だ。バグダッド周辺のいろんな所から煙と炎が立ち上っている」と話
した。三歳になるかならないかの長女は夜の間中、泣き続けた。「娘は何が起きてい
るか分からない。ただ怖いんだ。」爆撃は未明まで断続的に続いた。

 南部の大都市バスラのサダム教育病院に勤務する医師、ジャワッド・アリさん一家
は、生死にかかわる深刻な時間を過ごしていた。22日午前4時半ごろ、国際電話で
「昨晩から爆撃や大砲の大きな音がずっと続いており、家族は皆眠れない」と話して
いた。爆音や衝撃が家を揺らす度、妻や4人の子どもたちは「怖い。早く終わって」
と祈ったという。

 同病院は、湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾による影響で発症したとみられるがん
患者らを治療している。アリさんは腫瘍センター長を務め、昨年12月には治療法や
支援を求めて広島を訪問した。

 バグダッドでの空爆作戦参加後の会見で、空母キティホークのあるパイロットは爆弾
発射直後の心境として、「『やった、すぐに戻ろう』と思った」などとやや緊張した
様子で振り返った。民間人に犠牲者が出る懸念については、「大砲の近くにいる者
は、悪いやつらだ」と話し、民間人の犠牲は気にも留める様子はない。  

 その後も、 米軍ミサイルによる民間人の被害が続いた。24日、イラク国境近くの
シリア領内で、米軍が発射したミサイルがバスを直撃、シリア人乗客5人が死亡し
た。

 米国防総省の報道官は26日、イラクの首都バグダッドの住宅街の市場に、米英軍
のものと見られるミサイル2基が着弾し、一般市民約45人が死傷したことについ
て、「死傷者が出るのはすべてサダム・フセインのせい」との理屈で反論した。
イラクのムバラク保健相は27日、過去24時間に空爆によってバグダッド市民3
6人が死亡、215人が負傷した、20日の開戦以降、イラクの民間人約4000人
が死傷、うち死者は計350人に上ると発表した。死傷者は子どもや女性が中心で、
クラスター爆弾によって被害が拡大したという。

 23日、イラク空爆から帰還途中の英軍機が米軍の迎撃ミサイル「パトリオット」
に撃墜され、2人が死亡した。また巡航ミサイル「トマホーク」が誤ってイラン南西
部に数発、トルコに23日夜、2発が着弾し、最先端兵器の「精度」への疑問が指摘
されている。「数多くのトマホークの中にはわずかながら正常に作動しないものもあ
り、驚くに値しない」と国防総省当局者は話している。

 25日、首都南方100キロのナジャフなどで激しい地上戦が行なわれ、イラク兵
の死者は300人から500人に達した。地上軍の衝突では開戦以来最大である。2
5日から26日未明にかけては、バグダッド市南部に重点的な爆撃が行われ、バグ
ダッド市内では国営テレビ局も電磁波利用の最新兵器による攻撃を受けた。
25日、空母キティホークの艦載機が、対戦車用兵器「クラスター爆弾」を使用し
た。クラスター爆弾は投下後、空中で上下にふたが開き、中から長さ20センチほど
の小型爆弾約250個が広範囲に飛び出る仕組みの非人道兵器である。

 米中央軍は26日、記者会見し、イラクでの空爆で劣化ウラン弾を使用したことを
初めて認めた。ガンなどの健康被害を懸念する質問には「過剰な言い方だ。安全だと
わかっている」と答えた。

 現地からの報道は、米英軍の空爆や戦車の砲撃、誤射、誤爆など、民間人の犠牲を
伝えている。バグダッド市内の病院はけが人であふれ、死傷者がかなりの数に上るこ
とは間違いない。だが、現状では犠牲者の正確な数を把握することはできない。そう
した中で、世界の主要メディアの報道を根拠に民間人死者数を出しているのが、米英
両国の学者らが運営するウェブサイト「イラク・ボディ・カウント」である。3月28
日現在で、最小で253人、最大で333人とカウントしている。

 地上軍が予想外に速いペースで進撃し、イラクのゲリラ攻勢による隊列の襲撃など
で、一時は補給ラインが確保できないとして、長期化が懸念された。例えば、南部ナ
シリヤで23日、米陸軍第3歩兵師団の整備補修を担当する「507歩兵中隊」がゲ
リラ部隊「フェダイン・サダム」の奇襲を受け米兵9人が死亡、12人が行方不明と
なり補給線のもろさが表面化した。が、その後、戦車によるバグダッド市内の偵察行
動などへの抵抗はほとんどなく、バグダッドの陥落はわずか数日で終わった。結果的
には1991年以来の経済制裁や連日のすさまじい空爆によりイラク軍の総合力は著しく
低下していた。

 米軍は4月3日、バグダッドのサダム空港を制圧した。4日、米陸軍第3歩兵師団
の6~8両の戦車など地上部隊が偵察行動としてバグダッド南郊から市内に入った。
更に5日には、バグダッドに突入した米軍装甲部隊が市中心部へ進撃し、イラク軍が
ロケット弾などで時折、抵抗していた。米中東軍は6日、陸軍第3歩兵師団が大統領
警護隊の本部があるとみられる宮殿を制圧した。この時点で、すでにイラク軍の本体
は壊滅していたとしか考えられない。

 4月2日、アメリカのミサイルがバグダッドの赤新月社母子保健病院と近隣の建物
を攻撃した。数人が死亡し、少なくても25名が負傷した。米海兵隊は自爆攻撃を警戒
し、道路を封鎖して検問を実施したところ、一台のミニバスが来たため、海兵隊は停
車を求めたが、バスはそのまま走行。自爆攻撃を疑った海兵隊からの銃撃を受け、
乗っていたイラク人六人が死亡した。死亡したのは一家で、顔に銃弾を受けた二歳の
子供もいた。海兵隊の中には衝撃を受け、泣き始める者がいたという。あの徹底した
殺人訓練を受けた海兵隊が死体を見て泣く。全く無意味な殺戮の記憶を彼は一生引き
ずらねばならない。一方この戦争に諸手を挙げて支持した「平和国家」の首相は、苦
悩の影すらなく今日もヘラヘラとコメントしている。

 6日、アンマンでの記者会見で国連環境計画(UNEP)のウィリアムズ報道官は、
放射能兵器で白血病の原因として知られる劣化ウラン弾について、「潜在的な危険性
がある」とのテプファー事務局長の言葉を紹介し、一九九一年の湾岸戦争時も含めた
イラク国内での劣化ウラン弾の被弾地域の調査を、状況が許し次第始めるよう勧告し
た。

 9日、バグダッドは陥落し、フセイン政権は崩壊した。ブッシュ米大統領は、テレ
ビでバグダッド中心部のフィルドス広場に立つフセイン大統領の銅像がイラク市民と
米海兵隊の手で倒され、市街を引きずり回される映像を見た瞬間、興奮気味に「ぶっ
倒したな」と叫んだ。フセイン像によじ登った米海兵隊員が、フセインの顔に星条旗
をかけたとき、群集は静まりかえった。テレビを見ていた米国防総省の記者室ではた
め息が漏れ、アラビア語テレビの解説者は怒りをあらわにした。星条旗は急いで旧イ
ラク国旗に取りかえられた。占領軍アメリカの姿が露呈した瞬間である。

 10日、海上自衛隊のイージス護衛艦「こんごう」など3隻が、テロ対策特別措置
法に基づく対米支援のため、長崎県の海自佐世保基地からインド洋に向けて出航し
た。アラビア海周辺を含め、米英など10カ国の艦艇に燃料などを提供するためであ
る。

 11日、米空母キティホークのトーマス・パーカー艦長は艦内放送で「すでに約2
400万ドル分の爆弾を投下した。(イラクには)まだ殺される必要がある者たちが
いる」と述べた。この世に「殺される必要がある者」が存在するというのか。
 
この時点で、さまざまな立場の人が死亡している。民間人について、イラク・ボデイ
カウントは、4月10日現在で最小1140人、最大1376人としている。

 米英軍当局によると、十日現在の米兵の死者は105人、英兵の死者は30人。米
兵11人が行方不明、7人が捕虜となっている。

 一方、イラク兵の死者数は不明。サダム国際空港で320人▽カルバラ周辺で12
00人▽バグダッド周辺で2千人以上など、米軍当局から断片的に死者数が伝えられ
てはいる。

 国際ジャーナリスト連盟によると、死亡したメディア関係者は12人、死亡の可能
性が高い行方不明者は2人。戦闘と直接関係のない死者も数人いるが、大半が米軍の
空爆やイラク側のミサイル攻撃、地雷、自爆攻撃などで命を落とした。

 9日、チェイニー米副大統領は、ニューオーリンズでの講演で、イラク戦争の大勢
が決したことを踏まえて、「「無法国家」やテロリストに対して積極的な攻撃に出る
ことの有効性を強調し、今後もそれを米国の安全保障政策の基本とすべきだ」との考
えを示した。

 11日、米陸軍がイラク戦争に伴う油田の消火・復旧作業で、石油関連のプラント建
設大手、米ハリバートンのグループ企業に期間2年で総額70億ドル(約8400億
円)の事業を無競争で発注したことが明らかになった。ハリバートンはチェイニー副
大統領が就任以前に最高経営責任者を務めていた企業である。

 米英軍は14日までにイラク全土を掌握したが、イラク戦争の目的に掲げていた大
量破壊兵器は未だに見つかっていない。バクダッド周辺などでは「化学兵器製造工場
発見か」との報道が相次いだが、いずれも十分な根拠のないメディアの先走りで、否
定的結果に終わっている。元々、なかった可能性の方が高いのではないか。
 
 バグダッドの考古学博物館が11日略奪被害に遭ったことを受けて、国連教育科学
文化機関は米英両国に書簡を送り、「イラクの考古学現場や文化施設に対して緊急に
保護と警戒の対策をとるよう」要請した。「世界の中で最も豊かなものの1つである
古代メソポタミア文明発祥の地であるイラクの遺産とコレクションを緊急に守る必要
がある」とし、「特にバグダッドの考古学博物館とモスル博物館、バスラ(の文化施
設)は米英軍による保護が必要だ」と訴えた。パウエル米国務長官は14日、「米国
はイラクの遺跡や文化遺産の価値をよく認識している。1万年にわたる文明の発展の
記録だからだ」と強調した。
 
 国防総省のクラーク報道官は、米政府が掲げたイラク戦争の8つの目的のうち、
〈1〉フセイン政権の打倒〈2〉テロリストの拘束と駆逐〈3〉石油施設の保全――
の3つを達成したと述べた。ただ、イラクとテロ組織との関連、大量破壊兵器の存在
を示す証拠の発見、大量破壊兵器の廃棄については、なお時間がかかるとの見通しを
示した。これらこそ、小泉首相が戦争支持の根拠としてあげたものである。

 イラク戦争で米英軍がティクリートを制圧してイラク全土をほぼ掌握したのを受
け、今後、イラクを震源地とする変化の波が中東各国を揺さぶることになる。圧倒的
な軍事力を基盤にした米国の「覇権」がさらに強まり、シリアやイランは「次の標
的」になりかねない。内外の圧力を受けて、アラブ諸国は緊張をしいられることにな
ろう。米国・イスラエルとアラブの力のバランスがさらに崩れたことで、アラブ・パ
レスチナにとっては中東和平の見通しも暗い。

 アメリカ軍は、イラク戦争で使った劣化ウラン弾の汚染除去をする計画は全くない
と言明。「なぜなら我々の研究でDUは環境への長期の影響がないと分かっているか
ら」。人体への影響でもそれは米国が決めるという一国主義がある。劣化ウラン弾の
除去と影響調査こそ日本の引き受けるべき役目ではないか。

 北部最大の都市モスルで15日、米軍兵士がイラク人の群衆に発砲し、少なくとも
10人が死亡、数十人がけがをした。事件は市民の反米デモの際に発生したが、その
経緯は目撃者の証言と米中東軍の説明で大きく食い違う。モスルはイラク国内でも特
に反米感情が強い都市だ。アラブ系住民が、クルド人武装勢力とともに侵攻してきた
米軍に猛反発している状況がある。米軍は「解放者」なのか、虐殺者なのか。モスル
では16日にも群衆に発砲。4人が死亡した。

 今、戦後復興をめいうって、米軍はイラク全土を占領し、軍政がしかれようとして
いる。

大量に使用した準大量破壊兵器の残虐性は、調査される見込みはない。DUの除去は
優先課題であるが、放置されそうである。クラスター爆弾による被害の実態はどうな
のか?

 大量破壊兵器のかけらすら見つかっていない。仮に見つかったとしても、それが一
方的な戦争行為を正当化するものではない。とは言え、せめてBC兵器がないとすれ
ば、今回の戦争の大義はどこかに失せてしまう。国連の場を通じて、世界中が大騒ぎ
し、そこでの合意が得られないまま、米英軍が強引に戦争を仕掛け、四大文明の発祥
地を破壊し尽くした行為は、何だったのかと言うことになる。ましてや、この戦争に
よって、言われなく命を奪われた人々、遺族となった人々に何と説明するのか?

 今日(4月20日)の民間死者数は、最小1652人、最大1939人である。まだ未確認
のものが増える可能性はある。負傷して病院にかつぎ込まれた人々は、これより一桁
多い可能性が高い。十分な治療ができない中、そのまま亡くなっていく人もいるであ
ろう。仮に独裁政権による人権侵害があるとすれば、国際的な監視や圧力によって変
えていけばいいことだ。それをもって、主権国家を転覆させていいなどと言う理屈は
ない。

 1ヶ月間のできごとを並べてみただけでも、この戦争のどこに正義があったのか、
全く理解できない。「国民の解放」「イラクの自由」とはほど遠い現実が見えてい
る。「テロ」「ならず者国家」を事前に叩くという軍事戦略を実行に移してしまった
アメリカこそが、世界で最も「ならず者国家」としての資格を持っているのではない
か。

 私たちが生を受けた、水をたたえた地球は暗黒の宇宙に浮かぶオアシスである。地
球は、形成から40億年もの年月をかけて多様な生命体を生み出し、近年になり人類
という思考能力を持った知的生命体を産み落とした。銀河系に1000億個の太陽が
あるといえども、同時代性を持って、このように生命が豊富な星は、ほとんどない。
その奇跡的な存在である私たちが、なぜ生命を抹殺しあうのか。

 今回の作戦は、「衝撃と恐怖」作戦である。しかし、アメリカ市民とブッシュ政権こ
そ、9/11の「衝撃と恐怖」に縛られて、今を生きているのではないのか。核兵器
の使用も含め、先制的に攻撃をする権利を持つという戦略こそ、自らの恐怖心の裏返
しの表現にすぎない。政治、経済、軍事、どの分野をとっても、世界最強のアメリカ
こそが、今最も弱い精神状態にある。

 ヒロシマは、アメリカによって、大量破壊兵器による無差別攻撃を受けた地である。
半世紀を経た今も、被爆者を初め、多くの市民が得も言えぬ苦悩を背負って生きてい
る。アメリカを恨むという境地を越えて、大量破壊兵器を廃絶した世界をめざして、
核兵器の廃絶と恒久平和を訴えている。その志が報われる日がまだ遠いことを、イラ
クの1ヶ月は示している。今、この戦争に正義はないことを世界中の人々が共有する
ことが、つとに求められる。ブッシュ政権の先制攻撃戦略がイラクに初めて適用さ
れ、「成功したかに」見える現在、この方法では、アメリカ自身が救われないことを
人々は自覚すべきである。ヒロシマからそのことを改めて訴える。

(さらに…)

3/30 原爆ドームから発信!あなた・私の思い

木曜日, 3月 20th, 2003

 国際法違反の先制攻撃を開始したアメリカ政府は、「核兵器、それに匹敵するMOAB(新型最大通常爆弾)の使用も検討している」。悲しいことに、すでに、バグダットをはじめ、ものすごい空爆(空襲)で被害者が出ています。ヒロシマにとって、これは、どうしても許し難いことです。核兵器は絶対悪であり、使用を考えること自体が罪です。今、ヒロシマの市民が、一人一人どう考えているかを率直に出し合い、一刻も早い攻撃の中止を求めましょう。

 3月30日、原爆ドームに集まりましょう。STOP WAR! あなたの想いで広島をくり返すなと声をあげましょう。

◇とき   3月30日(日)正午~
◇ところ  原爆ドーム前(広島市中区大手町)
◇プログラム
 12時 リレー・メッセージ(トーク・うた・朗読)
 午後1時-1時50分  ★☆ピースウォーク☆★

3/30 核軍縮:日本の成績表」広島評価会議

木曜日, 3月 20th, 2003

 2000年5月のNPT再検討会議で、「核兵器の完全廃棄への明確な約束」を含む最終文書が採択されました。この合意の履行に対する日本政府の努力を検証する評価委員会が毎年行なわれています。

 特にイラク攻撃の根拠になっているアメリカの「核態勢見直しやミサイル防衛計画」の危険な動きに日本政府がどう対処しているかなどをチェックします。

◇とき    3月30日(日)午後2時-4時30分
◇ところ   平和記念資料館(平和公園内) 地下
◇パネリスト 梅林宏道(ピースデポ) 平岡敬(元広島市長) 森滝春子(ヒロシマの会)

主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
共催:ピースデポ
共催:(財)広島平和文化センター

3/23 平和のリボンで原爆ドームを囲もう

月曜日, 3月 3rd, 2003

イラクの民間人の死傷者が拡大し、米英軍にも死傷者が増えつつある23日、原爆ドーム前に約2000人が集合し、思い思いのメッセージを書いたリボンで、原爆ドームを取り囲み、グラウンドゼロから、世界へ戦争反対のメッセージを出しました。

平和のリボンで原爆ドームを囲もう グラウンド・ゼロから世界に届けよう
ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ!  
NO WAR! NO DU! NO NUKES!
戦争反対  劣化ウラン弾禁止  核兵器廃絶

◆プログラム
 午後1時  原爆ドーム前(歌、演奏、詩の朗読など)
 午後2時~2時45分 「ドームを囲むリボン行動」
 午後3時頃~ ピースウォーク
(原爆ドームから八丁堀、本通り、原爆ドームに戻ります)
◆縦幅90cmのリボンを用意してください。
◇イラクへの戦争に反対する思いを、それぞれ自由に書いたもの。
◆参加できない方の思いを寄せ書きしたもの。
◇何でもいいです。
◆何か自分なりのものをご持参下さい。
◆チラシはこちらです(PDF)

アメリカは、イラクへの攻撃に「核兵器の使用も含めた先制攻撃ができる」としています。ヒロシマ・ナガサキにとって、これは、どうしても許し難いことです。核兵器は絶対悪であり、使用を考えること自体が罪です。今こそ、改めて、「ノーモア・ヒロシマ・ナガサキ」というアピールが、ヒロシマから発せられる必要があります。そのために、原爆ドームに集まりましょう。あなたのリボンで原爆ドームを包囲し、広島をくり返すなと声をあげましょう。

8・6ヒロシマ国際対話集会・反核の夕べ2002

月曜日, 7月 15th, 2002

8・6ヒロシマ国際対話集会・反核の夕べ2002
―核廃絶に逆行する流れをどう止める―

よびかけ
2000年5月、ニューヨークを舞台に「保有核兵器の完全廃棄に関する明確な約束」がなされたにも関わらず、その後は、アメリカを中心に核兵器廃絶に逆行する動きばかりです。9.11以降のブッシュ政権の核・戦争政策、インド・パキスタンの核使用も含み持った戦争瀬戸際の緊張などなど。今こそ、世界の市民がつながりあい、核兵器廃絶への世論をより強くして行かねばなりません。ヒロシマから世界に核兵器廃絶への連帯の絆を強く呼びかける場として、今年も、8月6日、広島でお会いしましょう。

日時・場所
とき 8月6日(火) 16時~18時30分
ところ 広島平和記念資料館地下/メモリアルホール(平和公園内)
参加費 無料(ただし、資料代500円)

プログラム
●オープニング 市民による合唱=市民合唱団 『世界の命=ヒロシマの心』
●パネルディスカッション
◇コーデイネーター 岡本三夫(共同代表)
◇パネリスト

リタ・ラザールさん 《アメリカ》
 9.11テロ事件で家族を亡くした遺族で作る「ピースフル・トウモローズ」のメンバー。事件を口実にブッシュ政権がアフガンで戦争を起こしたことに反対し、アフガンの被災者支援の活動をしている。HANWAの訪米使節団がニューヨークで交流し、広島での再会を約束した方。

シュリプラカッシュさん 《インド》
 「ブッダの嘆き」監督。インド核問題の原点・ウラン採掘場でひき起こされている放射能被害の実態を描き世界に告発したドキュメンタリー映画「ブッダの嘆き]の監督。3年半の現地記録でつづった「ブッダの嘆き」は、その劣悪な撮影条件にもかかわらず地球環境映像祭でグラン・プリを獲得、大きな反響を呼び、広島や各地での上映活動によってジャドゥゴダ現地への支援活動を生み出している。気鋭のフィルム・アクティビスト。

ザリーナ・サラマット女史 《パキスタン》
 パキスタン・インド平和と民主主義を求める人民フォーラム・イスラマバード議長。’98の自国の核実験にいち早く反対の運動を展開,右翼の襲撃を受けるなど厳しい状況の中でパキスタンの反核平和運動を牽引してきた南アジア史歴史学者。隔年毎のイン・パ両国での反核フォーラムの共催を実現、インドの反核平和運動と連帯を強めてきた中心的存在。

●インド、パキスタン、アメリカ若者アピール
●市民との意見交流
●広島アピール

主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会
    Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
後援:(財)広島平和文化センター