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核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

水曜日, 6月 21st, 2023

 第22回総会と研修会

場所:広島弁護士会館2階 大会議室 (広島城東側、裁判所北側)

時間:6月24日午前10時45分ごろ~12時

総会 2023年6月25日(土)10時~12時

   総会(10時~10時45分)(予定)

   剣友会:HANWA 総会終了後 14時まで

講師:
 高橋 悠太さん
  核廃絶ネゴシエーター/ 核兵器廃絶日本 NGO 連絡会 幹事

テーマ: G7から核兵器禁止条約へ
     「核なき世界を日本から」はじまります

※ 一般参加も歓迎します。オンライン(ZOOM) 視聴申し込みは

    fujigen@abelia.ocn.ne.jp
締め切りは23 日午後 5 時。

問い合わせは 090 9060 1809 (藤元)

G7広島サミットに対する声明

金曜日, 5月 12th, 2023

G7広島サミットに対する声明

 ここヒロシマは、78年前にアメリカ軍が投下した一発の原子爆弾で十数万人の市民が無差別に虐殺された人類史に刻まれた地である。この地には名も知れぬ無数の人々の遺骨が重なる。また原爆の地獄を生き残った人々は78年後の今日も晩発性放射線障害に苦しみ、死が訪れるまで彼らにとっての戦争が終わることはない。だからこそヒロシマに生きる私たちは核兵器廃絶を全力で発信し続けるのである。

 このヒロシマに核保有国とその軍事同盟国のG7首脳が集うのであれば、その目的はただひとつ。核兵器禁止に向けた具体的かつ積極的な検討以外にはありえない。そうでなければヒロシマに集う意味は全くないと私たちは断言する。

 今日、ロシア政府のウクライナ侵略によって核戦争の危機はかつてなく高まっている。

 岸田首相は、2022年8月国連で、「ヒロシマ・アクション・プラン」を公表し、①核兵器不使用の継続の重要性を共有すべきこと、②核戦力の透明性の向上、③核兵器数の減少傾向を維持する、④核兵器の不拡散を確かなものとすること、⑤各国の指導者等による被爆地訪問の促進を通じ、被爆の実相に対する正確な認識を世界に広げることを求めた。

 これについて、原子力の平和的利用の促進を除き、それらの行動は進められるべきだが、これまでの国際的な状況、交渉の進展に照らし、不十分なものというべきである。

 すなわち、1996年の国際司法裁判所(ICJ)勧告的意見(核兵器の使用は一般的には国際法に違反する)、2000年、2010年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の最終文書で合意された核兵器を全廃させることについての明確な約束、2018年国連規約人権委員会での一般的意見、2021年の核兵器禁止条約の発効などの動きを踏まえるなら、ヒロシマ開かれるG7では、これまでの合意を一歩でも前進させる合意を求めたい。

 特に、2023年4月に発せられたG7外相会合のコミュニケでは、ロシア、中国、北朝鮮の核兵器について、様々な問題を指摘する一方で、自分たちが持っている核兵器については、「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている。」として、正当化を図っている。

 しかし、全ての核兵器が廃絶されるべきとの明確な約束が反故にされるかのような認識がヒロシマで開催された会議で表明されることは許されない。

 「核兵器のない世界」は「理想」ではない。核戦争の危機を回避し、核被害者をこれ以上生み出さないための、その現実的な第一歩こそが核兵器禁止条約である。G7首脳は、このヒロシマで核兵器の禁止にむけた具体的な議論に着手せよ!期限を定めて核兵器禁止条約への参加のプロセスをつくれ!

 G7広島サミットに参加する核保有国首脳は、自らの核開発によって生み出した世界の核被害者に対する責任を果たす義務がある。核保有国の核の傘のもとで、連携して核開発を推進してきた同盟国の首脳も同様である。核の被害者への贖罪と人類の未来のために、ここヒロシマの地で核兵器禁止を誓うべきではないか。

 私達はG7サミットに集う各国首脳に以上のことを強く要求する。

2023年5月13日

核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)

代表 足立 修一

 

The World’s Nuclear Victims Ask: To the G7 Summit Leaders

木曜日, 5月 11th, 2023

世界の核被害者は問う G7首脳へ

月曜日, 5月 1st, 2023


G7関連のお知らせ(続々)

土曜日, 4月 15th, 2023

上の集会はHANWA主催の集会です。オンラインでも参加できます。


G7関連のお知らせ(続き)

土曜日, 4月 8th, 2023

関連のお知らせ


緊急アピール  

月曜日, 3月 27th, 2023

NO WAR!  NO DU!  NO NUKES!

――イギリスによる、ウクライナへの劣化ウラン砲弾の供与、および、ロシアによる劣化ウラン弾の使用を強く非難する――


2023年3月28日

緊急アピール  

NO WAR!  NO DU!  NO NUKES!

――イギリスによる、ウクライナへの劣化ウラン砲弾の供与、

および、ロシアによる劣化ウラン弾の使用を強く非難する――

イギリスがウクライナに供給する「チャレンジャー2」戦車には劣化ウラン弾が伴うことが、3月20日、ゴールディ国防担当閣外相の発言によって明らかになった。

それに対してロシアのプーチン大統領は、イギリスが劣化ウラン弾をウクライナに供与するならば「相応の対応」をすると、核兵器の使用も示唆する発言で応じ、ショイグ国防相も「核の衝突(nuclear collision)」の可能性に言及した。

しかしながら、ロシア自身がウクライナで用いている砲弾のなかに劣化ウラン弾(3BM32 “Vant”)が含まれることが、GICHD(Geneva International Center for Humanitarian= ジュネーブ人道的地雷除去国際センター) による2022年の報告で明らかにされている[1]。こうした事実を考えるならば、ロシアの反応は、自己撞着のきわみであり、その確信的な非人道性を証明するものだと言わざるをえない。

一方、「劣化ウラン弾は数十年にわたって使用されてきている、普通(commonplace)の“通常兵器”(conventional weapon)」であるといった、イギリスやアメリカによる発言[2]も、きわめて大きな欺瞞をはらんでいる。当然のことながら、「数十年にわたって使用されてきている」からと言って、問題がないことには全くならない。

劣化ウラン弾とは何か?

劣化ウラン弾は核兵器ではないが、核兵器の製造や原子力発電に必要なウラン235の濃縮プロセスから生ずる膨大な放射性廃棄物(いわゆる劣化ウラン)を利用したものであり、30ミリ砲弾一発に約300グラムの劣化ウランが含まれていると言われる[3]

劣化ウランは核分裂性ではないが、放射性物質であることに変わりはなく、強い化学的毒性も持つ。したがって劣化ウラン弾は、使用されれば、戦場であるか演習場であるかを問わず、また不発弾の場合でも、人体や環境に広範かつ長期的な影響を及ぼすこととなる[4]

実際、湾岸戦争やイラク戦争で大量の劣化ウラン弾が使用されたイラクでは、小児がんや白血病、先天性異常などの増加の原因の一つとして大きな問題となった[5]。また、これらの戦争に従軍した米英などの兵士たちのあいだで「湾岸戦争症候群」が大きな国際的論争の的となり、旧ユーゴ紛争の後にPKOとして派遣されたヨーロッパ諸国の兵士のあいだでも「バルカン症候群」の原因として問題となった。

イギリスは、今回の供与にあたって、劣化ウラン弾の毒性を否定しているが、実際は、その危険性をはっきりと認識しているのである。事実、イギリス軍は2004年、イラク駐留中の自国兵士に対し、劣化ウランのリスクを知らせる「劣化ウラン情報カード」を発行していることが報道され、問題となった[6]

また、この問題を長年にわたって調査・検討してきているUNEP(国連環境計画)は、すでに広く報道されているように、昨年10月に公表した報告書「ウクライナにおける紛争の環境への影響」において、劣化ウランは「皮膚刺激や腎不全を引き起こし、がんのリスクを高める可能性がある」と指摘している[7]。また、すでにイラク戦争の頃、米軍の放射線生物研究所(AFPRI)による動物実験から引き出されていた、劣化ウランは胎盤を通過してしまうという結論を、改めて国際社会は深刻に受け止めるべきである[8]

劣化ウラン弾禁止に向けた国際社会の取り組み

2007年3月22日、ベルギー議会では、「劣化ウラン弾禁止法案」が全会一致で採択され[9]、2008年5月、欧州議会でも、NATO諸国も含めた欧州各国において、劣化ウラン兵器の禁止に向けた具体的な動きを促す決議が圧倒的多数で可決されている[10]。また国連においても、2007年以降、劣化ウラン弾問題に注意を喚起する決議が繰り返し、圧倒的多数によって採択されてきている。

さらに米国陸軍は2026年11月末までに劣化ウラン弾を装備から除外し破棄する計画であることが、2021年12月に明らかになっている[11]。これは、劣化ウラン弾禁止を求めてきた国際的な世論及び運動を米軍が無視できなくなったことの表れであろう。

国際社会、ウクライナ政府、そして日本政府に求めること

以上のような理由により、私たちは、イギリスによる、ウクライナへの劣化ウラン砲弾の供与に強く反対するとともに、すでにウクライナ侵攻において劣化ウラン弾が使用されてしまっているであろうことを深く憂慮する。

ウクライナ政府及びウクライナの人々は、劣化ウラン弾は自然環境を汚染し、戦後の復興も一層困難にしてしまうものであることを考え、イギリスによるその供与を受け入れないよう心より願うものである。兵士のみならず、一般市民や、後から地雷除去作業などに携わる人々も、劣化ウランによる健康被害に曝されてしまい、地下水の汚染など、長期的な環境被害が引き起こされてしまう危険性があるのである。

国際社会は、1日でも早いウクライナ戦争の終結に向け全力を尽くすべきであり、劣化ウラン弾がさらに使用されることのないよう、また核兵器が決して使われることがないよう、あらゆる方途を探る努力をすべきである。

とりわけ、そうした和平に向けた国際的努力の先頭に立つべき日本政府には、来る5月、広島において開催されるG7会議においては、核兵器の非人道性のみならず、劣化ウランの供与・使用をめぐる問題を提起し、その国際的禁止に向け国際世論を喚起することを強く求めたい。

なお、イラク戦争が開始される直前の2003年3月、広島では、”NO WAR NO DU!(戦争反対 劣化ウラン弾反対!)”の人文字メッセージが、中央公園に集まった約6000人の人々によって作られた。湾岸戦争に続き、再び劣化ウラン弾を用いて戦争が行われることへの強い抗議の表れであり、3月24日、その空撮写真を用いた意見広告がニューヨーク・タイムズに掲載された(添付資料を参照)。また、イラク戦争の前後から、広島や日本からの市民グループは、現地で劣化ウラン弾被害に関する調査を試み、イラクの医師や子どもたちへの支援に取り組んできている[12]

現在、国際的非難の対象は、イラク戦争を仕掛けたアメリカから、ウクライナ侵攻を続けるロシアへと変わっているが、劣化ウラン弾の危険性が隠蔽されてしまっている政治的状況は、残念ながら、いまだに変わっていない。国際社会は、戦場を越えた被害を及ぼす劣化ウラン弾を非人道的兵器として認識し、核兵器ととともに、その廃絶に向けた取り組みを早急に開始すべきである。

HANWA(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会)

http://www.e-hanwa.org

問い合わせ先 Email: hanwa[at]e-hanwa.org      Tel: 090-7897-2095             


[1] “ICBUW Statement on British DU Ammunition to Ukraine,”March 22, 2023. (https://www.icbuw.eu/en/).

典拠は、Explosive Ordnance Guide for Ukraine, 2nd edition, 2022, GICHD, p.109 (https://bit.ly/3ZfI0TS).

[2] The Newsweek (March 23)などを参照。

[3] アメリカでは、増え続ける膨大な劣化ウランの処理・利用法の研究が50年代から始められ、考案された一つが軍事利用である。劣化ウラン化合物は、鉄よりも硬く、鉛よりも重いため、砲弾の貫通体部分や戦車の装甲などに使われてきているが、衝突の衝撃によって発火し、微粒子となって環境中に拡散する。「劣化ウラン(DU=depleted uranium」という呼称は、その危険性を覆い隠し、誤った印象を与えてしまうが、通称として本声明においても用いることとする。詳細は、「[劣化]ウラン兵器とは何か?」(『ウラン兵器なき世界をめざして―ICBUWの挑戦』NO DU ヒロシマ・プロジェクト/ICBUW編、合同出版、2008年、6-13頁)を参照されたい。

[4] 湾岸戦争では、100万発以上の劣化ウラン弾が使われたが、これらの砲弾に含まれていた劣化ウランは、米軍による公式発表によれば、およそ320トンにのぼる。膨大な量の放射性廃棄物が環境中に放出された意味する。

[5] 2009年、両戦争で最も激しい戦場の一つとなった南部バスラで、第1回国際がん会議が開かれた。

[6] レイ・ブリストウ「イギリス政府の欺瞞は続く――湾岸戦争、バルカン、そしてイラク戦争」、『ウラン兵器なき世界をめざして』(合同出版、2008)116-119頁。

[7] “Ukraine war: UK defends sending depleted uranium shells after Putin warning,” BBC, March 22, 2023 (https://www.bbc.com/news/world-europe-65032671).

典拠は、The Environmental Impact of the Conflict in Ukraine: A Preliminary Review, UNEP, October 14, 2022 (https://www.unep.org/resources/report/environmental-impact-conflict-ukraine-preliminary-review).

[8] 米軍も生体への影響を認識 劣化ウランで調査報告」(共同通信, 2003年7月8日)

典拠は、ワシントンの「核政策研究所」が2003年7月に発表した報告書「劣化ウラン――危険性評価の科学的根拠」(“Depleted Uranium: Scientific Basis for Assessing Risk,”Nuclear Policy Research Institute, July, 2003 (https://www.helencaldicott.com/depleted.pdf).

[9] この法律は、いわゆる「通常兵器」に含まれてきている劣化ウラン弾、および劣化ウランを用いた装甲の、ベルギー国内における製造、貯蔵、供給、移送、使用を「予防原則に基づき」、国内法として世界で初めて禁止するものとなった。

[10] 「ヒバク反対キャンペーン」のHP(http://www1.odn.ne.jp/hibaku-hantai/uran-heiki-kinsi.htm)などを参照。

[11] ICBUWのホームページを参照。

[12] 詳細は、『ウラン兵器なき世界をめざして』を参照されたい。

Statement to Commemorate the Second Anniversary of the TPNW

木曜日, 1月 26th, 2023

Two years ago today the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW) came into effect. 92 countries have so far signed the Treaty and 68 have ratified it.
In February, 2022, Russia invaded Ukraine and has threatened to use nuclear weapons. We are faced with the crisis of a nuclear war. The hibakusha and citizens of Hiroshima appeal that such weapons must never be used. Nuclear warfare has neither winners nor losers and inevitably leads to the destruction of the earth. We demand the war which continues to kill so many innocent people be stopped and ended urgently.
77 years ago, Hiroshima was annihilated by the American nuclear attack. The victims included not just Japanese people. People from the Korean Peninsula and Taiwan, both under Japan’s colonial rule, Chinese laborers made to come to Japan by force, American POWs, and Southeast Asians and Chinese people invited to study in Japan by the national policy were also indiscriminately killed when they were exposed to the atomic bomb. Not only the direct power of the bomb (heat rays, blast and initial radiation), but also residual radiation caused people to develop illnesses after they entered the city later. Radioactive fallout even reached areas farther than 30 kilometers. After the war ended, it was estimated that about 140,000 people of Hiroshima lost their lives by the atomic bombing before the end of the year 1945. Many survivors have died of leukemia or cancer. Nagasaki was also bombed by a nuclear weapon and experienced a similar situation.
The first meeting of the States Parties was held in July last year and the Vienna Declaration was adopted. Problems to be solved include how the Treaty should be made universal and how global nuclear survivors should be aided. We hope that the second meeting to be held in November this year deepens debates on these matters.
Last August, the NPT Review conference met but there was no forward movement and no documents were adopted, even though the previous meetings in 2000 and 2010 had confirmed that Article 6 of the Treaty declairing the States Parties have the duty of complete nuclear disarmament (=prohibition of nuclear weapons). This is an extremely regrettable situation. It is not forgivable that nuclear states should turn their backs on signing and ratifying the Treaty, which complements the NPT.
We protest against nuclear powers postponing abolition of nuclear weapons for security reasons. The Japanese Government should sign and ratify the Treaty as soon as possible. We will try to realize the nuclear-free world working in cooperation with global nuclear survivors.

January 22nd, 2023
Shuichi Adachi
President of the Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

※この英文は「核兵器禁止条約発効2年にあたっての声明」英訳です。

第1回核兵器禁止条約締約国会議の開催を心から歓迎します

水曜日, 6月 22nd, 2022

第1回核兵器禁止条約締約国会議の開催を心から歓迎します

 2022年6月21日から23日まで、オーストリアのウィーンで第1回核兵器禁止条約締約国会議が開催されることを私たちヒロシマの市民は心から歓迎します。現在、62か国がこの条約を批准・加盟しています。
 77年前、ヒロシマはアメリカ軍の核兵器の爆撃により壊滅させられました。日本人だけではなく植民地支配していた朝鮮半島・台湾出身者、強制連行された中国人、アメリカ人捕虜や、国策により東南アジア諸国や中国から日本に留学した人たちも、無差別に被爆したり死亡させられたりしました。爆裂による直接の被爆だけでなく、残留放射線による被爆は爆撃後広島市内に入った人にも及び、放射性降下物による被爆は爆心地から30キロを超える地域の黒い雨を浴びた人にまでも及びました。広島での死亡者は1945年末までで約14万人と推定され、その後も現在に至るまで白血病やガンにより死亡させられてきました。
 2017年7月、国連で核兵器禁止条約(TPNW)が採択され、2021年1月22日に発効しました。このことは、ヒロシマやナガサキの被爆者が訴えてきた被爆の事実のみならず、世界の核被害者の被害事実(採掘、精製、加工、実験など)、すなわち、核兵器が持つ非人道的影響を世界の人々が広く認識するに至り、国際法で核兵器に関連する一連の行為が禁止されることになりました。このことは、核兵器廃絶に向けての大きな一歩となったと認識しています。
 私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながって核なき世界をめざしていきたいと思います。第1回締約国会議の開催を心から歓迎し、実りある議論を期待します。

2022年6月19日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
代表 足 立 修 一

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(英訳)

Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)
We Heartily Welcome the First Conference of States Parties to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons
 
We, the Citizens of Hiroshima, welcome with all our heart, The First Meeting of States Parties to the UN Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW) to take place in Vienna, Austria, from 21st to 23rd June, 2022. So far sixty-two nations have ratified the Treaty.
Seventy-seven years ago, Hiroshima was annihilated by the nuclear attack by the armed forces of the United States of America. Not only Japanese people were bombed, but those from the Korean peninsula and Taiwan, Chinese people forcibly made to work in Hiroshima, American POWs in Hiroshima, and students who had come here from Southeast Asia to study in line with the state’s policy, were all exposed to the bomb and killed. In addition, many people who entered the city were affected by residual radiation. Exposure to radiation even extended to areas more than 30 kilometers away from the hypocenter, when black rain fell on people. Approximately 140,000 people of Hiroshima are estimated to have lost their lives by the end of the year 1945. Deaths from leukaemia and cancer have since continued.
The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons was adopted at the UN conference on 22nd July, 2017, then came into effect on 22nd January, 2021. This is not just the result of what hibakushas in Hiroshima and Nagasaki have tried to testify to the world. Facts of the damage suffered by nuclear victims in the world (mining, refinement, processing, and experiment) are now known to people worldwide. International law prohibits a series of activities related to nuclear weapons. This is a big step toward the abolition of nuclear weapons.
We oppose countries which possess nuclear weapons postponing abolition of them and demand the Government of Japan sign and ratify the Treaty immediately. We wish to cooperate with all the nuclear victims in the world so that a world free from nuclear weapons will be realized. We strongly hope the parties have a productive discussion.


19th June, 2022
ADACHI Shuichi
Representative
Hiroshima Alliance for Nuclear Weapons Abolition (HANWA)

要請書

火曜日, 12月 14th, 2021

次の要請書は2021年12月13日にHANWAより発出されました。

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岸田文雄 内閣総理大臣殿
林 芳正 外務大臣殿
要 請 書


 2022年1月4日からニューヨークで核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれ、また、同年3月22日からウィーンで核兵器禁止条約締約国会議が開かれることになっています。これらの会議での議論は、核兵器廃絶に向けた重要な意義をもつものです。
 広島の被爆者は、長崎とともに、自らの被爆体験とその後の人生の苦しみ・悲しみをそして一瞬にして尊い数十万の命が奪われたことを他の誰にも経験させてはならないとの思いで、国内外で証言を続けてきました。このことが世界の人々を動かし、核兵器の非人道的影響が理解され、本年1月22日に発効した核兵器禁止条約に結実しました。史上初めて核兵器を全面的に禁止した条約は、被爆地広島・長崎の私たちにとっては、悲願そのものです。
私たちは、核兵器保有国がNPT条約第6条の核軍縮義務、核兵器を廃絶する明確な約束を遵守し、核軍縮を着実に進めること、及び核兵器禁止条約が普遍化し、国際人道法の原則に反する核兵器が二度と使用されないことを心から願っています。
 しかし日本政府は、核兵器禁止条約が目指す目標を共有しているとしながらも、日米同盟の下では米国の核抑止力を維持することが必要だとし、核兵器禁止条約は、核兵器保有国から支持を得られず、核軍縮に取り組む国際社会に分断をもたらしているとし、現時点で署名批准はできないとしています。
原爆投下で甚大な被害を受けた日本では、今なお多くの被爆者が原爆症をはじめとする疾病・障害で苦しみ、また、これまで援護から取り残されてきた「黒い雨」被爆者もようやく救済の緒につくなどその非人道的影響はますます明らかになっています。戦争被爆国である日本には、核兵器廃絶の先頭に立つべき道義的責任があります。
私たちは、NPT条約第6条が、核軍縮について「誠実に交渉する」義務を核兵器保有国に課しており、核廃絶を目指すことが合意されていることから、核兵器禁止条約はNPT条約を補完するものであると認識しています。

 核兵器が使用されると、人類の生存を根底から脅すことになる人道的影響がある。核兵器禁止条約を推進する国々のこの認識は、日本政府も共有できるはずです。よって全ての核兵器保有国が核の先制不使用を表明するよう働きかけるべきです。
 ことに岸田文雄首相は、爆心地のある広島1区選出の国会議員として初めて内閣総理大臣に就任し、広島の原爆被害の状況を最もよく知る立場にあり、つねづね「核兵器廃絶はライフワーク」と発言しています。日本の世論は、条約への署名・批准や締約国会議へのオブザーバー参加に積極的です。この声に応えるためには、安全保障を非人道的な核兵器に依存する核抑止政策から抜け出すことが不可欠です。非核三原則を有する日本が、北東アジア非核兵器地帯構想を検討することがその答えになります。アメリカとの軍事同盟であるNATO加盟国のドイツ、ノルウェーはすでに締約国会議への参加を表明しています。
 広島市の松井一実市長は過日、長崎市の田上富久市長とともに岸田首相に面会し、締約国会議への参加を直接求めました。「核兵器による平和」を否定し続けてきた広島の私たちが国会に送り出した岸田首相に求めるのは、核兵器の惨禍を体験した国として、主体的・自立的にリーダーシップを発揮することです。核兵器廃絶に向けて具体的なステップを踏み出した締約国会議に、戦争被爆国としての自立的意思でオブザーバー参加することはその第一歩ではないでしょうか。その先にこそ、日本政府の言う「橋渡し」のあり方が具体的に見えてくると考えます。
私たちは、日本政府に対して、広島、長崎への原爆投下の人類史上の意義と人道的影響を踏まえて決断を求め、以下のことを要請します。

1 日本政府として、核兵器禁止条約の署名・批准を行うこと。

2 NPT再検討会議で、全ての核保有国が核の先制不使用を表明することへ
の働きかけをすること。

3 核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバーとして参加すること。

4 上記1を前進させるためには、日本が核抑止政策から抜け出す必要があり、そのために北東アジア非核兵器地帯構想の検討開始を表明すること。

2021年12月13日


核兵器廃絶をめざすヒロシマの会 代表 足 立 修 一