核兵器禁止条約発効3年にあたっての声明
核兵器禁止条約発効3年にあたっての声明
本日(2024年1月22日)は、核兵器禁止条約(TPNW)が発効して3年となる。現在、93か国が署名し、70か国が批准している。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵略し、その後、戦火の続く中、2023年10月、パレスチナ自治区ガザ地区でも武力紛争が発生している。イスラエルの攻撃が今も継続しており、パレスチナ人の死者は24000人を超え、うち子どもの死者は10000人を超えると報じられている。病院や避難所まで爆撃を受ける状況であり、まさに、ジェノサイド(集団虐殺)を遂行している状況になっている。国際司法裁判所では、南アフリカがイスラエルに対し、ジェノサイドであるとして、軍事行動の即時停止を求める裁判が進行している。先日開かれた弁論では、現在の状況が1948年以降のイスラエルのパレスチナに対する戦争、侵略、占領の延長の結果としてあることを南アフリカが明らかに示した。戦争を止めさせ、パレスチナの人々の平穏な生活を取り戻さなければならない。
ロシアもイスラエルも核兵器の保有国であり、核兵器の存在によって、戦争は抑制されるという「核抑止」が破綻していることを示している。2023年11月に開催された核兵器禁止条約の締約国会議の政治宣言でも、核抑止については、核兵器が「強制、脅し、緊張の激化につながる政策の道具」として使われており、核抑止によってこれを正当化しようとする試みは、核兵器に誤った評価を与えるもので、これにより核兵器の水平的・垂直的拡散のリスクを高めていると指摘されている。
核兵器の保有国が戦争を発動し核兵器の使用を検討している状況は、これまでになく、核兵器の使用のリスクが高まっているのであり、世界は一刻も早く核兵器を禁止し廃絶する以外に、人類が安心して生き延びる道はない。
私たちは、核兵器保有国が安全保障を理由に核兵器の廃絶を先延ばしすることに抗し、日本政府に核兵器禁止条約へ速やかに署名・批准することを求めるとともに、核の廃絶を求める世界中の核被害者とつながり、核なき世界をめざしていきたい。
2024年1月22日
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
代表 足 立 修 一