「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」概要
報道資料 2015年1月7日核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト
広島・長崎被爆80周年
「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」概要
行事名:
広島・長崎被爆80周年「核のない未来を!世界核被害者フォーラム」
日時:2025年10月5日(日)―10月6日(月)2日間
会場:アステールプラザ (広島市中区)
主催:核兵器廃絶をめざすヒロシマの会(HANWA)
核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト
呼びかけ団体(予定)
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
原水爆禁止日本協議会(原水協)
賛同者: 協力していただける団体・個人を幅広く募ります。
賛同金 個人1口 1000円 団体1口 5000円
募金目標額900万円
(会場費用、同時通訳費用、招聘費用=海外約10人、国内約20人)
世界核被害者フォーラム開催目的
核利用サイクルはウラン採掘に始まり、製錬、核兵器・核燃料製造、核実験、核兵器使用、原発稼働、原発事故、使用済み核燃料の再処理、核廃棄物の保管・処分、劣化ウラン兵器使用など、あらゆる段階で放射能による広範な環境汚染と人体への深刻な影響をもたらしてきた。
私たちは、インドやアメリカなどのウラン鉱山採掘現場、劣化ウラン弾を撃ち込まれたイラクの現場、ネバダ核実験場の風下住民の現場や南太平洋の島々と世界各地の核実験場の現場を調査し深刻な被害実態を告発してきた。また、原発重大事故に遭ったチェルノブイリ、福島の人々がその生命、健康、生活、自然環境を失わされ破壊された現場の状況を、検証・調査・支援してきた。
ウランの採掘、製錬、核実験、核廃棄物の処理などは、先住民の人々の土地や抑圧された旧植民地で行われてきている。被害現場に共通しているのは、被害者たちが、常に無防備で弱者の立場にあることだ。いつもそこに見られるのは、一握りの権力者、資本の利益のために、いわれも無く理不尽に踏みにじられる民衆の犠牲だ。その犠牲の上に利益を上げる権力者の利己的な行動は許されないし、その行動が今や核戦争を招き、地球の気象変動をもたらし、人類を絶滅に追いやる危機を招来していることを私たちは直視しよう。
2015年被爆70周年に広島で開催した「世界核被害者フォーラム」で採択した「広島宣言」では、核被害者を「原爆の被爆者、核実験被害者、核の軍事利用と産業利用の別を問わず、ウラン採掘、製錬、核の開発・利用・廃棄の全過程で生じた放射線被曝と放射能汚染による被害者すべてを含む」とした。また、「核時代を終わらせない限り人類はいつでも核被害者=ヒバクシャになりうることを認識して、核と人類は共存できないことをあらためて確認」した。
そのときより世界はもっと厳しい核被害の現実にさらされている。私たちは、2025年広島・長崎被爆80周年に合わせて、『核のない未来を!世界核被害者フォーラム』を再び広島の地で開催する。
2021年1月には、核兵器禁止条約が発効し、核時代の終焉の一歩を刻んだ。核兵器の違法性と締約国による核被害者の救済の義務を定めたことは評価に値する。いま世界は、ウクライナ戦争、ガザで続くジェノサイド、中東危機の中で核兵器使用の威嚇が地域戦争の手段とされるなど、核戦争への危機が高まっている。核兵器禁止条約は、核戦争による非人道性の極みを訴え闘ってきた原爆被爆者、核実験被害者たちの体験と、それを共有する運動の上に成立した。しかし、世界各地の核被害者の救済なくして核廃絶はないという被爆者らの訴えに反し、核被害者を「核兵器の使用と実験」によって影響を受けた者と狭く定義づけているため、多くの先住民を含む核被害者が切り捨てられている問題がある。また、原子力の「平和利用」を奪い得ない権利と定めていること、加害者責任が明確にされていないことなどの致命的な問題もあり、これを是正させる取り組みが重要となっている。
80余年にわたり、核利用を進めてきた国々と核産業は、核の軍事利用あるいは「平和」利用を問わず、世界中に核被害者=ヒバクシャを生み出してきた。核被害の多くは、先住民や植民地支配の下に置かれた人々に押し付けられてきた。そして、チェルノブイリ、福島の原発重大事故を起こしてもなお、これらの国々と核産業は、「地球温暖化対策」を口実に原発推進を掲げ、核被害をさらに拡大させようとしている。
私たちは、世界で核被害をこれ以上ふやさないため、全ての核利用サイクルを断つ闘いの国際的ネットワークを強めよう。そのために、核被害地で闘う先住民を含む核被害者、運動家をはじめ、医科学的・法律的専門家を結集し、核がもたらしている被害の全容を徹底的に明らかにし、核利用の根底的な廃絶とこれ以上ヒバクシャをつくらない世界を目指し、核被害者および核被害者と共に闘う人々の国際的連帯の場を広島で作り出したい。
2025年のフォーラムでは、核被害者の実体験と訴えを反映させた核被害者救済と権利確立を目的とする行動指針を幅広い層の参加者と議論する。具体的な当事者目線の行動要綱は、先住民族やグローバルサウスを含む国際社会へ向けて発信し、核の根絶への指針として世界に普及を図る場を作り出す。
2015年フォーラムの成果を引き継ぎ、「世界放射線被害者人権憲章」をさらに発展させ、世界の核被害者への救援、核被害者の権利と補償の確立、核利用の根絶への指針として世界に広めていこう。
ヒバクシャの救済と人権獲得を!
世界の核被害者と共にヒロシマに集い、連帯の絆を結ぼう!
プログラム(案)
10月4日夕方 歓迎レセプション
場所候補:広島厚生年金会館or アステールプラザ
1日目 10月5日(日)
原爆資料館・原爆慰霊碑献花 9-10時
開会セッション10時―11時10分 アステールプラザ中ホール
セッション1ー 核サイクル被害現場から~核被害と核植民地主義・核の正義
10月5日
1.広島・長崎原爆
2.ウラン採掘・精錬、核燃料製造
10月6日
3.核実験と核植民地主義
4.原発事故・原発被曝労働
5.核廃棄物の処理・劣化ウラン兵器
セッション2ー 核被害者の権利と補償の確立、核利用の根絶に向けて
10月6日15時~
【世界核被害者の連帯をどう築くか】
閉会セッション: 17時‐17時半
【2025広島宣言提案・採択】
全期間:核被害写真ポスター展、関連美術作品展示
候補:
ドイツIPPNW「世界の核被害者」
インド・アシッシ・ビルリ「ジャドゴダ・ウラン鉱山」核被害の実態
川野ゆきよ ビジュアルアート作品
基町高校美術部の原爆の図画
参加呼びかけ対象
核利用サイクルの各段階の被害者、支援NGO、禁止キャンペーン運動、各分野専門家
<海外から> ●ウラン鉱山被害●核実験被害●原発事故被害●劣化ウラン弾被害●被曝労働被害(原発、核兵器製造、劣化ウラン弾製造)●反原発運動●各分野専門家 (医科学専門家、核問題専門家、法律専門家)
<国内から> ●ヒバクシャ ・広島・長崎原爆被害者(黒い雨被爆者、被爆体験者、被爆2世など)・ビキニ事件被災者・福島原発事故被害者・原発労働被害者 ●反核兵器・反原発・反劣化ウラン兵器など運動団体●法律・原発・医科学などの専門家 ●政治学・社会学・歴史学・哲学分野の専門家●一般参加者
当面の予定
1月7日 記者会見(広島市役所)HANWA森滝春子マンハッタン井上まり
1月22日 核兵器禁止条約発効4年・核被害者フォーラム宣伝のキャンドルアピール 原爆ドーム前
1~2月 参加募集リーフレット 準備会(実行委員会)発足 賛同団体・個人向けお願い文書
2月8-9 核兵器をなくす国際市民フォーラム(東京)核兵器をなくす日本キャンペーン主催
3月 核兵器禁止条約締約国会議(ニューヨーク) 米国のグループなどから参加
5月 HANWA総会・記念講演会
8月6日 8・6ヒロシマ国際対話集会~反核の夕べ2025